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【合奏とは】楽器演奏者なら知っておきたい「合奏」の意味・定義

更新日:

合奏・アンサンブル・重奏、複数の奏者が同時に曲を演奏する状況を指す言葉は色々ありますが、厳密な意味の違いって正直あまり意識しないものですよね。^^;
今回はその中でも「合奏」に絞って、言葉の意味・定義中心に書いていきたいと思います。

ざっくりと「大人数で演奏してりゃ大体『合奏』でしょ。」といった印象を持っている方は多いと思います。
ぶっちゃけ私もそうですし、結果としてそれで合っているケースも多いのですが、実際のところは「合奏」を定義付ける要素が存在します
知っていることで「違いのわかるミュージシャン」として羨望の眼差しを受けること間違いなしかと思います。(嘘)

今一度意味を調べる中で色々とわかったことも書いてます。
意味だけ知りたい方には余計な話かと思いますので、目次より以下いずれかだけ読んでいただけると嬉しいです。
・「合奏」の意味
・【合奏とは】まとめ

「合奏」の意味

では早速Wikipedia大先生のお力を拝借しましょう。(他力本願)

合奏(がっそう)とは、複数人が同時に演奏を行うことで、アンサンブルの中の一形態。また、合唱の対語でもある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E5%A5%8F

「ま、まあだいたい思ってた通りの意味合いだな。」
「複数人が同時に(大人数で)演奏」くらいに捉えていたので、初めて見たとき私はそう思いました。

が、厳密には区分として「重奏」との違いを定義付ける要素が存在し、以下の状況を指して「合奏」といいます

演奏者の中の少なくとも二人が同じ演奏を行っている場合。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E5%A5%8F

要するに「合奏」とは、複数人で演奏していて、同じパートを弾く人が二人いる状況というわけです。
冒頭で
「大人数で演奏してりゃ大体『合奏』でしょ。」といった印象を持っている方は多いと思います。
と述べましたが、「大人数で演奏」かつ「全員パートが異なる」といった状況は考えにくいですので、おおよそのケースでは「大人数」=「合奏」で合ってるものかと思います。

ちなみに「全員パートが異なる」場合は「重奏」になります。
万一「50人での演奏だけど全員パートが違うんだなこれが。」といった状況があり得る場合、それは「重奏」になるわけですね。(あり得るのか。。。?)



「合奏」を英語で言うと

「合奏」を英語で言うと、「ensemble(アンサンブル)」となるようです。
ちなみに日本語で言う「アンサンブル」は「複数名が演奏している状態」で、これには「合奏」も「重奏」も含まれることになります。
※英語には日本語で言う「合奏」と「アンサンブル」を区別する言葉はなさそう。

では「重奏」と対応する英語は何なのでしょうか。
調べてみたところ、「重奏」自体を意味する・定義する言葉はなく、編成に応じて個別の言葉が存在するようです。

(独奏) Solo
(二重奏) Duet
(三重奏) Trio
(四重奏)Quartet
(五重奏)Quintet
(六重奏)Sextet
(七重奏)Septet
(八重奏)Octet
(九重奏)Nonet
(十重奏)Dectet
(十一重奏)Un-dectet
(十二重奏)Duo-dectet
(十三重奏)Tre-dectet
(十四重奏)Quattuor-dectet
(十五重奏)Quin-dectet
(十六重奏)Sex-dectet
(十七重奏)Sept-dectet
(十八重奏)Oct-dectet
(十九重奏)Novem-dectet
(二十重奏) Vigetet
(三十重奏)Trigetet
(四十重奏)Quadragetet
(五十重奏)Quinquagetet

出典:○重奏って英語で何て言う? | 日英バイリンガルアナウンサー 藤村由紀子
https://ameblo.jp/bilingualmc/entry-12332959727.html

これを見たとき、少し前に「50重奏とかあり得るのか?」とか述べた自分の愚かさを悔いました。

「二重奏(デュオ)」「三重奏(トリオ)」などは聞き馴染みのあるキーワードですね。
「五重奏(クインテット)」くらいまでならご存知の方も多いのではないかと思います。

少々逸れましたが、「合奏」を意味する英語としては「ensemble(アンサンブル)」で大丈夫そうです。
日本語の「アンサンブル」も「合奏」の意味も含むため、分かりやすくていいですね。



「合奏」の関連用語「総奏」とは

「合奏」の意味・定義を色々調べる中で「総奏」という言葉も見つけたので、せっかくなので触れておきたいと思います。
「総奏」とは「合奏」の中でも、特に「全奏者による合奏」を意味する言葉のようです。(「全合奏」とも言うみたいです。)
日本ではあまり馴染みのない言葉という印象ですが、イタリア語の音楽表記では「トゥッティ」というようで、以下の意味合いになるようです。

トゥッティ(tutti)とは、イタリア語表記による音楽用語で「全部」の意味。 演奏している全ての奏者が同時に奏すること。

ソロ(solo)の対義語で「総奏」全奏者による「合奏」を指す。

オルガン音楽ではフル・オルガンによる強奏を指す。切り替えを単純化するために多くのオルガンの演奏台にはトゥッティボタンが備わっている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3

適切な場面で「合奏」の代わりに使えると、何となく「ちょっと詳しい人」だと思ってもらえそうですね。
部活、サークルなどでアンサンブルをされる方は「〇〇小節目からの総奏、アンサンブル感を大事にして弾いて。」とか言っておけば多分一目置かれると思います。(適当)



合奏の並び方・配置

初めて合奏をされる方などは「合奏やるときってどう並んだらいいの?正しい配置は?」
と悩まれるかもしれません。

無難な並び方・配置としては、以下の慣例に則っておけば大丈夫です。
・下手(客席から見て左手側)→高音楽器(ないしパート)
・上手(客席から見て右手側)→低音楽器(ないしパート)

オーケストラの配置をイメージしていただくと良いかと思います。
客席から見て左手側にバイオリンのような高音楽器、右手側にチェロ・コントラバスのような低音楽器が並んでますよね。

もちろん、合奏するメンバーの使う楽器や舞台への入り・ハケの都合、はたまたメンバーの技量やキャラクターの兼ね合いもありますので、最終的には「必要以上に囚われることはない」と考えていただくと良いと思います。(特にカジュアルな演奏会では)

私はギターアンサンブル畑の人間ですが、小規模合奏の際などは「ベースを真ん中に据えてた方が色々締まるなあ」といった場合はガチャガチャ配置を変えたりしていました。(それで特に怒られませんでした^^;)



合奏をする際の注意点

多岐に渡りますし、ここでは語りきれないくらいポイントがあるのですが、ここでは技術的な話は置いておいて、合奏初心者の方向けにアンサンブルの基本であろう「チューニング(調弦)」に絞ってお話をしたいと思います。

合奏をするときに割とよくあるシチュエーションとして
「正確に弾いてるはずなのに音が気持ち悪いなあ。」→「チューニングずれてたわ、正直すまんかった。」
というものがあります。

もちろん経験豊富な方はそんなことないと思うのですが、合奏初心者の方だったり、楽器初心者の方は意図せずチューニングがずれていて、頑張って合わせてもいまいち浮かばれない状況になっていることがあったりします。
「チューニングしてもなんか気持ち悪い」と言うからよくよく見てみたら、チューナーの基準音が「A=440Hz」から大きく外れていた、といったケースもありました。
チューナーの基準音なんて、楽器初心者の方はそうそう気づかないですよね。(私も「あ、知らんうちに441になっとる」みたいなことはありました)

合奏メンバーの中でリーダー的なポジションの方は、メンバーのチューニングが合っているか、特に合奏経験の浅い方をよく見ていただき、楽しい合奏ができるようにフォローいただくと良いかと思います。



【合奏とは】まとめ

「合奏」の意味・定義、覚えていただけましたでしょうか。

おさらいしますと、「合奏」とは、「複数人が演奏していて、2人以上が同じパートを弾いている場合」です。
全員違うパートなら「重奏」ですね。
「合奏」「重奏」「アンサンブル」の違い諸々は以下の記事にまとめてますので、よかったらご覧いただけると嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

「アンサンブル」と「合奏」、「重奏」の意味・違いはパートの〇〇だった?

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