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コラム

【難しすぎ】クラシックギターはなぜ難しいのか?【理由と対策】

更新日:

「クラシックギターって難しい」

クラシックギターを触ってみた人が一度は感じることだと思います。

私も20年弱クラシックギターを弾いてますが、未だに日々実感しています。

今回は、「クラシックギターが難しいのはなぜか」といった観点で、クラシックギターが難しい理由と対策案についてまとめてみました。

難しい方は「目次」から気になる部分だけでもご覧ください。

クラシックギター初心者の方の参考になれば嬉しいです。

【理由①】「指弾き」だから

クラシックギターでは、アコギの弾き語りやエレキと違い、弦を指で弾く「フィンガースタイル」が主です。※アコギ・エレキにも指弾きはありますが、ピックが主流です。

指弾きは、以下のような点が難しいです。

・右手による消音技術
・指の当て方/振り抜き方
・爪の角度調整/メンテナンス

…慣れた身からすると、ピック弾きの方が苦手で難しく感じるのですが、周囲の声を聞くとやはり上記のような点が難しいと感じる方が多いようです。

また、「アルペジオ」や「トレモロ」といった奏法に苦手意識を持つ方も多く、ハードルが高いと思われがちです。

ピック弾きと比較すると神経を使う部分が多く、「1つの音を出すためのコストが高い」ということが、クラシックギターが難しいと感じさせていると思います。

こればかりは正直なところ、「練習で慣れるしかない」です。

とはいえ、「爪が引っ掛からないようにメンテナンスする」だけでも、かなり弾きやすくなって効果がありました。

爪やすりは色々あるので自分に合ったものを試していただくのが良いですが、個人的には削りカスが散らからないものが、結果的に爪のメンテをサボりにくくなったのでおすすめです。

ガラス製のものは削りやすくて良いのですが、削りカスが大量に出るのと長く使っているとケースにもカスが溜まっていくのが嫌でした。(「都度洗えよ」って話ですが、それが面倒でメンテが習慣化しなくなるんですよね。。)

あとは「そもそも難しい」「弾けなくて普通」ということを認識しておくと、少し気持ちが楽になるのでおすすめです。

【理由②】メロディと和音・ベース音を同時に弾くから

先ほどの「フィンガースタイル」にも絡んできますが、クラシックギター曲は基本的に「メロディと和音・ベース音を1人で同時に弾く」という作りになっています。※これはアコギのソロギターも同様ですが。

アコギ・エレキの主な演奏スタイル

・アコギ(弾き語り)
歌いながらギターでコードストローク弾き

・エレキ(バンドのギターパート)
歌やベース音などのパートはバンドに任せ、ストローク弾きや単音弾きが主

クラシックギター曲は、メロディもベース音も伴奏も1人でこなす必要があるため、大変忙しいです。

よく、ソロギターをあまり聴いたことがない人に動画を見せると、「本当に一人で弾いてるの?」という感想が返ってくることからも、「同時に弾く」ことの大変さが伺えます。

私自身、ギターアンサンブルやバンドでベースを弾いた経験もありますが、それらと比べるとソロギターは曲を仕上げるのに2倍~3倍くらいの時間がかかる印象です。

まあ、メロディ・ベース音・和音で3役ですから、2~3倍大変なのは当然とも言えますね笑

なので、アコギやエレキと比較してマスターするのに時間がかかっても「数倍は大変」と考えて、めげないことが大切です。(辛いですけどね。。)

【理由③】指板の幅が広いから

アコギ・エレキから入った人にとって、クラシックギターの指板の幅は「弾きにくい」ことと思います。

特に、エレキギターは弦のテンションも低いため押さえやすいですが、クラシックギターは生音な関係で、ある程度は弦の張りが強く、エレキから始めた方にとっては辛いです。
※クラシックギターから入った身としては、アコギが最も弾くのに力が要る気がしています。

とはいえ、これは以下のような対策で軽減可能でした。
・ギターの弦高を下げる
・ライトテンションの弦を使う

私も以前より腱鞘炎になりやすくなってましたが、これらの対策によって、だいぶ軽減できるようになりました。

クラシックギターの弦高による違い・弦高を下げる方法

【理由④】楽曲に対する読解力が必要だから

クラシックギター曲を綺麗に弾くためには、楽曲・楽譜の意図を読み取り、演奏に反映していくことが重要です。

例えば、「この一連の音は同じコードだから、運指はこうして音を伸ばした方がいいな」とか「この楽譜には一部無理があるから、少し音を変えよう」といった工夫が必要です。

とはいえ昨今、TAB譜付きのクラシックギター楽譜が多く流通していますので、弾くだけであればかなり簡単にできるようになっています。

しかしながら、TAB譜には以下の弊害があるとされています。

・音をセットで認識しづらい
・どの音をどこまで伸ばすべきか分かりづらい
・楽譜を読む能力が鍛えられない

TAB譜では最初から解答が示されているため、こうした考察能力があまり鍛えられず、「そのまま弾いてもあまり綺麗じゃない」といった状況に陥りがちです。

おまけに、これは私も時々「なんだかなあ」と感じるのですが、市販のTAB譜は運指が最適解ではないこともあったりします。

もちろん、慣れてくればTAB譜でも冒頭のような考察ができるようになりますが、最初は難しいかと思います。

対策としては、TAB譜で弾く際も「自分だったら本当にこう弾くだろうか」と模索しながら練習する、という習慣を付けることが有効です。

上記のようなデメリットも頭の片隅に入れた上でTAB譜を使うことで、より綺麗に曲を弾けるようになるはずです。

【おわりに】クラシックギター初心者の方におすすめの練習・情報

「クラシックギターが難しい理由」についてまとめてみました。

ネガティブな情報ばかりになってしまいましたが、私自身もなんだかんだで「クラシックギターからしか得られない栄養がある」と感じています。

バンドやアンサンブルの方が手軽に楽しめるんですけどね^^;

どれだけしんどくても、1曲完成させて録音・撮影できたときのやりがいは、なかなかのものです。

「難しい」と理解しつつも少しずつ、必ず上達できるので、ぜひクラシックギターにチャレンジしてみていただければと思います。

「クラシックギターは難しい」という初心者の方向けの基礎練習動画・情報を置いておきますので、ご参考くださいませ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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