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【クラシックギター】本番の演奏が苦手な人に見てほしい「緊張しないコツ」

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クラシックギターの演奏を嗜まれる方で、本番の演奏に対して何の悩みもない・緊張しないという方は稀だと思います。

失敗したらどうしよう
何をやっても緊張する

そんな不安を抱えつつ本番に臨む方がほとんどだと思います。
もちろん私もそうで、最近は舞台に立つというよりは動画撮影が専らですが、それでも毎度息が詰まるような思いです笑。

とはいえ、これまでにそこそこの数舞台に立ち、試行錯誤する中で感じた「本番で緊張しないコツ」をご紹介できればと思います。

忙しい方は「目次」からご興味のある部分だけでもご覧いただけると嬉しいです。

練習でベストを尽くす

これは言ってしまえば大前提ですが、偶然が介在しづらい楽器演奏において、練習で出来なかったことは、基本的に本番では出来ません
スポーツもまた厳しい世界ですが、「ジャイアントキリング」といった大番狂わせが稀にあります。楽器演奏の世界には、良くも悪くもこの「ジャイアントキリング」は起きません。

目安ですが、練習においては「目標テンポでのノーミス演奏が10回中8~9回」といったレベルを目安にすると良いです。

手を冷やさない

手を冷やすと、演奏時の動きに大きく支障が出ます。
汗ばむのはNGですが、基本的に体温は高めに保つくらいの方が良いです。
また、手を湿った状態にするのも良くないので、トイレに入った後にジャブジャブ手を洗うのはNGです。多少汚いかもですが軽めに洗ってよく拭きましょう。

温かいお茶を飲むようにするのも良いです。

ルーティンを決める

スポーツマンの界隈でよく見かけるやつですね。
イチロー選手が打席に立つ際の動作や、ラグビーの五郎丸選手のキック前の動作が印象的です。(個人的には高見盛関の土俵入りのやつが好きでした)

彼らのようなわかりやすい動作でなくとも、自分なりの動作順序を決めておくだけでもだいぶ平常心を取り戻せます
私がギター独奏をやってた時に意識していた例ですと、

① 右足から入場、リハの時に確認していた歩数で椅子の前に
② 礼→着座
③ 椅子の高さ・足台の高さを確認、調整
④ チューニングを確認
⑤ 左手をセット
⑥ 右手をセット
⑦ 呼吸を整え、一音目をイメージ
⑧ 納得の行くタイミングで演奏開始

こんな感じでやっていました。
①~③までの部分は、リハの時に確認すると良いのと、高さの調整可能な椅子の場合は自身の出番までに高さが変わってしまっているので、自分なりの高さを確認しておくと良いです。

ルーティンを決めておくと良いところは、不測の事態が生じても最初(なり途中)から順序をなぞることで、一定の落ち着きを取り戻せることです。
意識して決めずとも、何度か舞台に立つ中で「なんか毎度こうだな」というものが決まってくることもあります。(私はそうでした)
腑に落ちるものであればどんな決め方でも良いと思います。

最悪な想像をしておく

これはやってる人がどれくらいいるかわかりませんが、けっこうおすすめです。
考え得る最悪な想像と、それに対するイメトレをしておくと、ちょっとやそっとでは動じにくくなります。
例えばですが、こんな想像をしていました。

出番直前に弦が切れる
→すぐに張り替える・出番を入れ替えてもらい、調弦が安定するまで待つ・(身内がいれば)他の人のギターを貸してもらう、など※これは実際のとこ対応難しそうだな。。

昔自分を振った人がたまたま見にきててしっかり目があってしまう
→笑顔で会釈

言ってしまえばこの程度のことですが、これ以上に「勘弁してくれ」といった状況になったことはなかったです。
私はちょっとしたことですぐに狼狽えますが、これは日常生活でどれくらいの修羅場を潜ってきたかというのも関係してくる印象で、周りを見ていると管理職や経営者の方は強いと感じます。

余談ですが以前通っていたギター教室の同門の方で、中年の男性の方がいたのですが、発表会の舞台袖から出番で舞台に出ていく際に近くにいた私に一言
「娘が来ているんだが、どうやら彼氏もいるらしんだ。会ったこともないのだけどね。」
と呟いて出ていかれました。
私は何と言っていいかわからず、黙礼で見送ることしかできませんでした。

今でもどうするのが正解だったのかわかりませんが、その方の演奏は、少なくとも平常心を失っていたようには見えず、おそらくその程度の不測の事態はいくらでも切り抜けて来られていたのだと思います。父は強しだと感じました。

良い意味で割り切る

ここまでやったとて、納得のいく演奏ができることなんか稀です。

私の場合ですが、高校・大学時代の7年間のギターアンサンブル活動+通っていたギター教室での独奏発表会、毛色は異なりますがバンドでベースを弾いたりインストバンドでエレアコを弾いたりと、色々とやらせてもらってきました。
細々したものも含めると、人前での演奏はおそらく数百はあると思いますが、「あれは会心の出来」と思えたのは片手で収まるくらいのものです。(うーん、いくらなんでも少ない。)

それでも、演奏を聴いてくれた人は「良かったよ」とか「楽しかったよ」と言ってくれたもので、自分なりに思うところは多々あったとしても「まあそれならいいか」と捉えてきました
評価するのは自分ではなく聴いてくれた方々なので、社交辞令ではなくそう言ってくれているなら、と満足しています。

目的を「上手く弾くこと」にしない

これは改めてこの話をまとめていて思ったことですが、私の場合クラシックギターの演奏とインストやらバンドでの演奏で、充実度が高かったのは正直後者の方でした。(真剣にやってたのは圧倒的にクラシックギターのはずなんですけどね。。)

両者で決定的に違っていたのは、「上手く弾くこと」に焦点を当てていたかどうか、でした。
クラシックギターの方はけっこう真面目にやっていたこともあって、「完璧な演奏にこそ価値がある」と思って本番に臨み、結果グダグダになっていましたが、ベースやエレアコを弾いていたときは「これはまあジャンル的にも盛り上がればいいでしょ」といった具合に、力の抜けた感じで演奏できていました。
周囲からはしょっちゅう「お前、バンドの方が楽しそうだな」と言われていましたが、実際そうだったと思います。

クラシックギターというジャンルは何かと「精密な演奏をしなければ」といった強迫観念に囚われがちですが、奏者の緊張や追い詰められてる感は、聴き手にモロに伝わってしまいます
大事なのは聴いている人を楽しませることなので、「失敗してもまあいいか」くらいに肩の力を抜いて臨んでみましょう。案外うまく行くかもしれませんよ。

おわりに

クラシックギターの本番では何かと緊張しがちですが、この記事で紹介した内容を基に、少しでも緊張しないようになっていただければと思います。

今一度まとめますと、
・練習でベストを尽くす →ノーミス8割を目指す
・手を冷やさない → 当日は温かいものを飲む・手を洗いすぎない
・ルーティンを決める → 演奏開始までの行動を決める
・最悪な想像をしておく → 最悪の事態と対策をイメトレする
・良い意味で割り切る → 「会心の演奏はそうそうない」と割り切る
・目的を「上手く弾くこと」にしない → 「楽しませる」を目指す

といった具合です。

聴き手に楽しんでいただくこと、そのためには自身の緊張が伝わらないようにすること、このあたりに意識が向くと良いのかな、と思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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