「このクラシックギター、なんか弾きづらいな。。」
そんなときは、ギターの弦高が適切でない可能性があります。
この記事では、クラシックギターの弦高が与える影響や、弦高調整の方法について書いていきます。
上記のような点が気になった方の参考になれば嬉しいです。
目次
クラシックギターの弦高と影響
クラシックギターは、弦高によって弾くときの左手指への負担・音質が変わってきます。
弦高が低いと弦を押さえる力が弱くても演奏しやすくなりますが、弾いたときの「ビリビリ」という音が大きくなります。
逆に弦高が高いと、弦を強めに押さえる必要が出てきて、指先や手首が痛くなりやすくなります。半面、フレットノイズは軽減されます。
また、弦高が低いと柔らかい音になり、高いと力強く張りのある音になる傾向があります。
とは言え、弦高による音への影響は多くの方にとって聴いていて気付くレベルのものではないため、初心者の方は弾きやすさ重視でOKだと思います。
クラシックギターの標準的な弦高
クラシックギターの標準的な弦高は、12フレット1弦で約3mm、6弦で約4mmと言われています。
出荷時点のギターの弦高は上記の通りであるケースが多いのですが、個人的にはこのくらいだと弾きにくく、正直けっこう高めに設定されていると感じています。
おすすめの弦高
初心者・ベテラン問わず、ギタリストにとっては弾きやすさ・手指への負荷を軽減することが重要になってきます。
特に初心者の方にとっては、弾きやすければ練習が苦にならず指も痛くなりにくいので、その点でも弦高は低めがおすすめです。
「音がビビらない範囲」を優先しつつ、6弦12フレットで約3mm程度まで削っても良いかと思います。
弾きやすさ重視なら、ビビらないギリギリのところまで下げてOKです。
上級者の方は、音のハリや音量の面で高めの弦高を好む方もいらっしゃるので、ご自身の手のコンディションや求める音に応じて決める形でよろしいかと思います。
※ですが、どちらかと言えば弦高よりもハード弦を使うなど、弦のテンション側で対応した方が良いかと思います。
私自身は20年弱弾いてきた中で、手首への負担や指先の痛みが気になってきたので、年々低い弦高を好むようになってきています。繰り返しになりますが、弾きやすいのがベストだと感じています。
弦高を調整するには
弦高調整をするには、楽器店へ依頼する又は自分でナット・サドルを削って行います。
自分で行う場合、初回は特に用意するものも多く、それなりに時間も手間もかかるので「大変そう」と思われるようであれば、楽器店にお願いした方が良いかと思います。
楽器店にお願いする
料金はかかりますが、一番確実で安心な方法です。
料金相場としては、ギターショップアウラではナット側(ヘッドの方)・サドル側(ブリッジの方)ともに2,000円~のようです。
https://www.auranet.jp/salon/maintenance/price/
クロサワ楽器ではナットで4,400円~、サドル調整で11,000円~でした。
https://www.kurosawagakki.com/sh_ohkubo/classic_repairprice.html
【弦高調整(低くする)手順】自分で調整する
自分でやる場合は、基本的に「サドルやナットを削って弦高を下げる」という形になります。
弦高を上げたい場合はスペアのナット・サドルを買って、「現状よりも高い弦高になるように削る」といった手順になります。
弦高を下げるときにもスペアがあると安心なので、用意しておくとベストです。
今の弦高を測る (弦高の測り方)
まずは現状どれくらいの弦高か把握しましょう。
測る位置は以下の通りです。
・1弦1フレット及び12フレット
・6弦1フレット及び12フレット
フレットが1・12な理由は、通常「弦高」と言うと12フレット部分であるためと、1フレット部分の弦高との差を把握しておく必要があるためです。
差がありすぎる場合は、サドル・ナットどちらかを削るだけで良い可能性がありますし、ともに高い場合はどちらも削る必要があります。
※一般的には、サドル側の方がナット側より弦高が高く、6フレット側の方が1フレット側の方が弦高は低いです。
1弦・6弦である理由は、弦が太い6弦の方が振動幅が大きいことから、一般的に6弦の方が弦高が高めになっているためです。
測る際は、「ストリングアクションルーラー」という専用の定規があると非常に楽です。
安く済ませたい方は直尺でOKです。
金具に当てる都合上、端がすぐ目盛になっている余白のないタイプが良いです。
弦高をどこまで下げるか決める
クラシックギターの標準的な弦高は、12フレット1弦で約3mm、6弦で約4mmと言われています。
あくまでこれは目安なので、音がビビらない範囲であれば弦高は高くても低くてもOKです。
※とは言え、出荷時点のギターは割と高めに設定されているように感じます。
「どこまで下げるか」を決めるのに役立つのが「カポタスト」です。
通常は弾き語りなどでキーを変える際に使う道具ですが、カポを付けた状態では開放弦の弦高がカポなしよりも低くなって弾きやすくなります。
これを活用し、
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1フレットにカポを付ける
↓
弾く
↓
ビビらないことを確認
↓
測る
↓
2フレットにカポを付ける弾く
弾く
↓
ビビらないことを確認
↓
測る
↓
3フレットに。。
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こんな感じの計測を繰り返し「弾きやすい+ビビらない」を両立できる弦高を把握します。
サドル側についてはカポを使った弦高把握は難しいので、細かく調整しながら削るのが良いです。
ナットとサドルを削る
弦を緩め、ギターからナット・サドルを外します。
削りながら1・6弦だけ再度張りつつ確認、といった作業になるので、弦は外さなくてOKです。
溝側(弦が乗る方)ではなく、底の方を削りましょう。
ナット・サドルを削る道具はこんな感じのものを使ってもOKですし、
荒目のやすりを使っても良いです。
弦を張って確認
良い感じのところまで削れたら、弦を張って確認→大丈夫そうなら完了です。
【豆知識】弦高を変える前に弦のテンションを変えるのも良い
「正直めんどくさい」と思った方も多いと思います。私も滅多にやらないです。
弦高で解決する前に試してみた方が良いこととして、「張りの弱い・強い弦にしてみる」というのもおすすめです。
クラシックギター弦として標準的な「プロアルテ」のライト・ハード弦を試してみるのが良いかと思います。
↓ライトテンション弦
↓ハードテンション弦
弦高を低くする場合の多くは「弾きやすさ」目当てだと思いますが、案外ライト弦にするだけでも結構弾きやすくなったりもします。
逆に「音の張りが欲しい」といった場合は、ハードテンションの弦がおすすめです。
弦のテンションだけでは不十分そうであれば、いよいよ弦高を高くする・低くする、といった調整を行うと良いです。
おわりに
弦高の影響・調整方法について色々と書かせていただきました。
ギターを買い替えた時や手首を故障した時など、弦高が気になるタイミングはそう多くないと思います。
ですが、いざ必要になった時に「お店に依頼する」「自分でやる」「失敗しないためには」といった適切な判断ができるようにしておくと非常に良いかと思います。
何かのご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。