クラシックギターを嗜む上では本体と同様に必ず使うことになる「ギターケース」。
「おすすめのクラシックギターケースって何だろう?」
「そもそもどんなギターケースにはどんな種類があるの?」
などと悩むこともあるかと思います。
クラシックギターに限らず、ギターケースには素材による耐久性の違いや、収納が多いものとそうでないもの、重いもの軽いものなど様々な種類があり、それらの中からご自身のスタイルに合わせ、適したものを選ぶと良いです。
例えば、ソロギター中心の方は保護性能を重視で収納は少ないもの、ギターアンサンブルをされる方は楽譜を何曲分も携帯することが多いため、楽譜の入るスペースを備えたものを選ぶといったイメージです。
…とは言え、クラシックギターを初めて間もない方にはケースを選ぶ際の具体的な観点などのイメージがつきづらいかと思いますので、クラシックギターケースの選び方・観点について書いていきます。
この記事を読んでいただくことでギターケース選びがスムーズになりましたら幸いです。
「選び方の観点を詳しく知りたい」という方は「目次」から「クラシックギターケースの選び方」という部分を、
「選び方はいいから、おすすめのクラシックギターケースだけ教えて」という方は「目次」から「【まとめ】おすすめのクラシックギターケース」という部分だけご覧ください。
クラシックギターケースの選び方
目次
【まとめ】クラシックギターケースの選び方
長いので、要点をかいつまんで記載します。
〇クラシックギターケースの種類
大別すると、クラシックギターケースの種類は以下の4つ。
・ハードケース
・セミハードケース
・カーボンケース
・ソフトケース
〇ギターケース選びのコツ
・「何を重視するか」を決める(保護性能・収納力・軽さ等)
・できれば楽器店などで実物を見て決める
・ソフトケースを買う際はギター破損のリスクを承知の上で使う
・「特にこだわりがないなぁ」という方は「セミハードケース」から試してみる
※保護性能・収納力・軽さに優れ、比較的安価。
〇楽器店でのギター購入時、付属ケースがいまいちの場合
ダメ元で店員さんに以下相談してみる。
・別のギターケースとの交換
・「もう気持ち払うんで別のケースにできますか?」といった交渉
※迷惑にならない範囲で
事前知識
まずはクラシックギターケースを選ぶに際して事前に知っておいた方が良い知識について書いていきます。
主にケースを選ぶ際に基準となる項目や、クラシックギターケースの大まかな種類についてですが、知っているといないのとでは選ぶ際の考え方や効率も大きく変わってくるかと思います。
クラシックギターケースを選ぶ基準
基本的に以下の6項目を基準にすると良いです。
・保護性能
・収納性
・デザイン
・軽さ
・持ちやすさ
・価格
それぞれ見ていきましょう。
ケースを選ぶ基準 | 説明 |
---|---|
保護性能 | 「ギターをどれだけ衝撃から守れるか」。 例えばソフトケースはおおよそ「傷を防ぐのみ」で衝撃には弱く、安心して運ぶならセミハードケース以上にしっかりした素材のものを推奨します。 |
収納力 | 外側の付属ポケットなど、「ギター以外のグッズを収納できるか」。 ソフトケース・セミハードケースはケース外側に楽譜が入る程度のポケットがついていることが多く、足台やチューナーなどの小物の収納も楽々です。 ハードケース・カーボンケースはケース内側に小物ポケットが付いていれば万々歳くらい。 |
デザイン | 「デザインの選択肢があるか」。 ソフトケース・セミハードケースは比較的多くの種類がありデザインを選ぶ楽しさもありますが、カーボンケースは種類が少なく、自ずと限られてきます。 |
軽さ | 「ケース自体がどれだけ軽いか」。 基本的に「硬いものは重い」ので、保護性能とトレードオフになります。(カーボンは軽い上に丈夫ですが)" |
持ちやすさ | 「ケースの持ちやすさ」です。 具体的には「リュックみたいにストラップを2本使って背負える」ものは「持ちやすい」です。 まあ昨今リュック背負いができないのは一部のハードケースくらいのものですが。。" |
価格 | 「ケース自体の価格」です。 素材(緩衝材)の量・ケース外側の材質によって変わり、ソフトケースは比較的安めで、一般的なハードケースとセミハードケースがだいたい同じくらい。 カーボンケースは入門モデルのギター+セミハードケースが買えるくらいに高いです。 |
クラシックギターケースの種類
大別すると、クラシックギターケースの種類は以下の4つに分けられます。
・ハードケース
・セミハードケース
・カーボンケース
・ソフトケース
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハードケース
「ギターケース」と言うと、この形状をイメージする方も多いかもしれません。
「古き良きギターケース」といった趣ですね。
冒頭の6項目についてどのような特長があるか書いていきます。
ケースを選ぶ基準 | ハードケース評価 | 特長 |
---|---|---|
保護性能 | 〇 | ・外側は硬く内装も厚いので「とにかく強い」 ・刺突にも強く不意に鋭利な箇所にぶつけても大丈夫 |
収納力 | × | ・ケース外側にポケットがなく、楽譜などは別途カバンに入れる必要あり ・ケース内部に小物ポケットがあるものもあり。チューナー程度は収納可 |
デザイン | △ | ・カラーや形状の選択肢は比較的少ない ・持っていて格好悪いということはない |
軽さ | × | ・4kg前後のものが多く比較的重い |
持ちやすさ | △ | ・リュックみたいに背負えないタイプもある ・背負えるタイプは比較的持ち運びしやすい |
価格 | △ | ・便利なモデルは3万円程度と比較的高価 |
記載の通りですが、「頑丈だが重い」といったケースで、クラシックギター本体を買った際に付属で付いてくる場合も多いです。
収納もないため、楽譜を大量に持ち運ぶギターアンサンブルサークルの方にはあまり人気がなかったりします。
「重くても、収納がなくてもいいから丈夫なケースがいい」という方にはぴったりです。
セミハードケース
近年人気のある種類のケースです。
むしろ最近では「クラシックギターケース」のイメージはこちらの方が強いかもしれません。
冒頭6項目とケースの特長は以下の通りです。
ケースを選ぶ基準 | セミハードケース評価 | 特長 |
---|---|---|
保護性能 | △ | ・クッション厚み十分で、よほどの衝撃でない限り耐える ・刺突にはさすがに弱い |
収納力 | 〇 | ・ケース外側にポケットがありA4ファイル+足台程度は軽く入る ・ケース内部にも小物ポケットがある場合が多く、チューナーや弦が入る |
デザイン | 〇 | ・カラーや形状の選択肢は比較的多い ・比較的おしゃれ感がある |
軽さ | △ | ・約2kgと軽量 ※が、ポケットに色々入れるので結果けっこう重くなる |
持ちやすさ | 〇 | ・軽い上にリュックみたいに背負えるので非常に持ちやすい |
価格 | △ | ・1万~2万強程度と比較的安価 |
「それなりに頑丈で軽く、収納もあるケース」です。
ケースの性能としてはかなりバランスが良く、特段こだわりがなければこのセミハードケースから選ぶのが無難です。
弱点としては「刺突に弱い」という点でしょうか。
クッション性は高いのですが、比較的柔らかい化学繊維製なので「鋭利な刃物で刺される・切られる」というダメージには弱いです。
また、強い力での圧迫に対しては若干不安で、あまりに混んでいる満員電車だと少々中身が心配です。
上記の点があまり気にならない方には大変おすすめのケースになります。
カーボンケース
2010年くらいでしょうか、本当に比較的最近になって出てきた、炭素繊維から成る「カーボン」を外装に用いたギターケースです。(見た目はハードケースそのものですが)
カーボンは鉄と比較して4分の1ほどの軽さかつ10倍の強度を持ち、耐摩耗性、耐熱性に優れています。F1マシンにも利用される高性能素材ですね。
要するに「頑丈で軽い」という、理想的なケースです。
冒頭6項目の評価とケースの特長は以下の通りです。
ケースを選ぶ基準 | カーボンケース評価 | 特長 |
---|---|---|
保護性能 | 〇 | ・概ねハードケース相当で丈夫 ・衝撃、圧迫、刺突いずれにも比較的強い |
収納力 | × | ※ハードケース同様、以下。 ・ケース外側にポケットがなく、楽譜などは別途カバンに入れる必要あり ・ケース内部に小物ポケットがあるものもあり。チューナー程度は収納可 |
デザイン | × | ・カラーや形状の選択肢はハードケース以上に少ない |
軽さ | △ | ・2kg強とセミハードケース程度で軽量 |
持ちやすさ | 〇 | ・リュックみたいに背負えるタイプが多い ・元々の軽さも相まって持ち運びやすさは抜群 |
価格 | × | ・7万円~とかなり高価なのがネック |
…軽くて強いことが魅力なカーボンケースですが、弱点としては「とにかく高い」という点です。
入門用のクラシックギターを買って尚お釣りがくるくらい。
また、形状的にはハードケースと同じであるため、収納がないことも弱点です。
「収納はなくていいから軽さと強度を」という方にはぴったりのケースです。
ソフトケース
軽さ・運びやすいさ重視の、最低限の保護性能のみ備えたギターケースです。
外部ポケットも比較的充実していて、楽譜やチューナー・足台の収納も可能なものが多いです。
冒頭6項目の評価とケースの特長は以下の通りです。
ケースを選ぶ基準 | ソフトケース評価 | 特長 |
---|---|---|
保護性能 | × | ・ほとんど「ない」 ・傷程度は防げるも、ぶつけたり落としたりしたときは心配 |
収納力 | 〇 | ・ケース外側にポケットがある場合が多い ・A4ファイル+足台程度は軽く入る |
デザイン | 〇 | ・デザイン自由度が高いためか選択肢はかなり多い ・おしゃれ感溢れるものもある |
軽さ | 〇 | ・1kg程度と非常に軽量 |
持ちやすさ | 〇 | ・基本的にリュックみたいに背負える ・単純な持ち運び性能は最高 |
価格 | 〇 | ・安い(2000円~など) ・最低限クッションがあるものは10000円弱など |
…が、軽さや収納・価格は魅力ながら、あまりに保護性能がなさすぎます。
短い距離の運搬であれば便利ですが、公共交通機関を用いての長距離移動や高価なギターを入れての運搬は少々心許ないというのが正直なところです。
「ある程度リスクも承知でも軽さと運搬性を」という方には合っているかと思います。
【事前知識まとめ】クラシックギターケースを選ぶ基準とケースの種類
ケースを選ぶ基準とギターケースの種類のおさらいです。
1つにまとめるとこんな感じになります。
ケースを選ぶ基準 | セミハードケース | ハードケース | カーボンケース | ソフトケース |
---|---|---|---|---|
保護性能 | △ | 〇 | 〇 | × |
収納力 | 〇 | × | × | 〇 |
デザイン | 〇 | △ | × | 〇 |
軽さ | △ | × | △ | 〇 |
持ちやすさ | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
価格 | △ | △ | × | 〇 |
一見ソフトケースの「〇」が多くていい感じですが、前述の通り保護性能のリスクを許容できる方のみおすすめ、といったところでしょうか。
クラシックギターケースの選び方
本題の、クラシックギターケースの選び方について書いていきます。
前提
度々になりますが、まず前提としてソフトケースは基本的に勧められません。
というのも、ソフトケースは基本的に防御力皆無で万一落としたり転んだりした際は高い確率でギターが壊れるからです。
エレキギターやエレキベースのように本体がある程度頑丈ならソフトケースでも十分なんですけどね。。。
「そんな間抜けなことしないわ」
って思う方もいるでしょうが、私事で恐縮ながら、何度かソフトケース愛用者が不慮の事故でギターを壊すのを見た経験があります。
あの時のいたたまれない空気は筆舌に尽くしがたいです本当に。
「ギター壊れてもまあいいか」という覚悟のある方はソフトケースでも良いかと思いますが、そうでない方はセミハードケース以上の丈夫さのものを選びましょう。
悩まずにギターケースを選ぶコツ
ギターケースを選ぶに際して、知っておくとお得なことがいくつかあるので触れていきます。
「何を重視するか」を決める
ギターケースを選ぶコツしては「何を重視するか」から考えると良いかと思います。
ご自身の生活スタイル(?)と照らし合わせて考えていただくイメージです。
例えば「重くてもいいから丈夫なものを」という方はハードケースになりますし、「丈夫さと軽さを両立したいし楽譜も入れられるケースがいいなあ」という方はセミハードケースが良いかと思います。
ちなみに私は「アランフェスケースの見た目かっこいいけど重いのはいやだなあ」と思ったのでアランフェスケースのカーボンモデルを使っています。
※かつてはカムフラージュ色しかなかったので「この塗装みたいの自分でやったんですか?」とか、たまに聞かれてちょっと恥ずかしいです。
「特にこだわりないなぁ」とか「ギター初心者でわからない」という方はセミハードケースから選ぶと間違いがないです。
日常的な運搬に耐えうるレベルの頑丈さと、毎日持ち運びしてもストレスにならないくらいの軽さがあり、更にはA4ファイルが十分入るだけの容量があるポケットを備えるものが多いからです。
学生さんから社会人ギター愛好家の方まで、幅広い層の方が使えるギターケースです。
もちろん「防御を捨てても軽さを」という方はソフトケースも一考の価値ありです。
厚めのクッションが入ったものであれば、よほどの衝撃でない限りは大丈夫なはずですので。
できれば現物のギターケースを見て決める
「近くに楽器店があれば」ですが、可能な限り現物を見た上で検討した方が良いです。
店員さんに確認は必要ですが、持ったり背負ってみたりとさせてくれるお店もあるためです。
洋服と同じで通販サイトの写真・情報ではわからない点も多く、
「持ったら思ったよりしっくり来ないな」
とか
「色のイメージが違うな」
みたいなこともありますので、その点を事前に確認できるメリットは実店舗ならではです。
店頭で気に入ったケースがあったら、できればそのままお店で買ってあげてくださいね。(価格が納得できるなら)
【裏技】ギター購入時、本体付属のケースが「いまいち」な場合
楽器店で新たにクラシックギター本体を購入する際、多くの場合ギターケースも付属するはずです。
しかしながら
「ハードケースはいらないんだよなあ」
なんて場合もあるかと思います。
そんなときは、ダメ元を承知で店員さんに
「別のケースに変えられたりしますか?」
と聞いてみましょう。
行けるときは「この中から選んでいいですよ」といった形で考慮してくれる場合もあります。
ダメなときも、「もう気持ちお支払するので、もうちょい良いケースにできますか」みたいな交渉ができる場合もあります。
もちろんゴリ押ししてはお店の迷惑になるので強くおすすめまではできませんが、付属のケースを使わなくなることが想定されるくらいなら、上記のように打診してみるのも一手ですのでご参考ください。
おすすめのクラシックギターケース
【まとめ】おすすめのクラシックギターケース
こちらも長いのでまとめますと、各ケース種別毎に以下のケースがおすすめです。
・ハードケース
アランフェスギターケース 【詳細はこちら】
・セミハードケース
ARIA LFC-120 クラシックギター ライトフォームケース 【詳細はこちら】
・カーボンケース
アランフェスギターケース カーボンモデル 【詳細はこちら】
【一覧】ケース種別毎の「おすすめのクラシックギターケース」
おすすめのクラシックギターケースを、ケースの種類ごとにまとめました。
一覧は以下の通りです。
※横に長いので、スクロールしてご覧ください。
No. | 種類 | 製品名 | 重さ | 参考価格 | コメント |
---|---|---|---|---|---|
1 | ハードケース | アランフェスギターケース | 3.2kg | ¥32,400(税込) | ・スタイリッシュでかっこいい ・比較的軽量かつ安価 ・カラーやモデルが多くお洒落 ・ハードケースとしての丈夫さ、耐久性も十分 |
2 | Visesnut(ヴィセスナット) クラシックギターケース アクティブ"Active" | 3.5 kg | ¥74,493(税込) | ・アジャスタブルサポートベルトでジャストフィット ・耐久性十分 ・少々重い ・価格はネック | |
3 | ロッコーマン レザーファイバー クラシックギターケース | 2.8kg ※ストラップ除 | ¥48,000(※税別) | ・レザー感がかっこいい ・比較的軽量 | |
4 | bam ギターケース | 3.2 kg | ¥69,100(税込) | ・「高級ケース」の代名詞的存在 ・軽量かつ頑丈 ・小物ポーチも内蔵 ・価格がネック | |
5 | セミハードケース | スーパーライトギターケース | 2.1㎏ ※ストラップ除 | ¥21,980(税込) | ・セミハードケースの最高峰 ・軽量かつ頑丈 ・内装が高級感あり ・A4ファイルも入るポケット付 |
6 | クラシックギターケース MAC-150 | 2.3kg ※ストラップ含 | ¥14,233(税込) | ・ほぼ「スーパーライト」と同等感覚 ・内装等の高級感は劣る | |
7 | ARIA LFC-120 | 2.0kg | ¥10,800(税込) | ・セミハードケースとして十分な性能 ・安い ・「ケースにお金をかけたくない」という方にぴったり | |
8 | カーボンケース | アランフェスギターケース・カーボン | 2.3Kg | ¥75,200(税込) | ・カーボン繊維により、最軽量クラス ・耐久性も十分 ・デザインの選択肢がないことと価格がネック |
【詳細】ケース種別毎のおすすめギターケース
上記で一覧にしたギターケースについて、ケース種別毎に個別に詳細を見ていきたいと思います。
興味のあるケースがありましたらご確認いただけますと幸いです。
おすすめのハードケース
「重いけど硬くて頑丈」が売りのハードケース。
ギターケースらしい佇まいも渋くてかっこいいですね。
おすすめのハードケースについて個別に触れてまいります。
①アランフェスギターケース【おすすめ】
・重さ:3.2kg
・参考価格:¥32,400(税込)※Amazon(2020/1/17時点)
ハードケースの中でも比較的有名なので、見たことのある方も多いかと思います。
ウクレレなど他の楽器のケースとしても有名ですね。
ガラスを繊維状にしたグラスファイバー製であることが特徴で、美しいデザインと使いやすさが人気です。
ストラップも2本付属しているため、リュックのように背負うことも可能で持ち運びもしやすいです。
ハードケースとしては比較的軽量な3.2kgという点も魅力です。
収納についてはネックの部分に小物ポケットを備えており、チューナーやカポタスト、湿度調整剤などの小物を収納可能です。
他に細かなおすすめポイントとしては、ケース外周のストラップ取り付け位置が高めなため、ケースを立てた際にストラップが地面に触れません。
たまにあるんですよね、立てたときにストラップが地面に触れるケース。雨の日なんかはめちゃくちゃ気になります。
ケースの性能とは直接関係ないですが、こうした細かい配慮も好感が持てます。
価格感も3万円前後が相場と、決して安価ではないですが長く使っていけるだけの性能があるため、初めてハードケースを買われる方にもおすすめのギターケースと言えます。
マットな質感でキズ・汚れが目立ちにくい「ラフフィニッシュ」モデルと、光沢感ありでお洒落な「スタンダード」モデルがあります。
「スタンダード」の方はパステルカラーもあるので、女性の方にはぴったりかもしれません。
②Visesnut(ヴィセスナット) クラシックギターケース アクティブ"Active"
・重さ:3.5 kg
・参考価格:¥74,493(税込)※Amazon(2020/1/17時点)
「世界初のアジャスタブルサポートベルトを装備した高品質ギターケース」と言われ、ギタリストの猪居 亜美さん・猪居 謙さんも愛用されているようです。
美しいフォルムと高い保護性能・耐久性がありながら3.5kgと比較的軽量な高性能ケースです。
「アジャスタブルサポートベルト」の機能によりケース内部のサイズを微調整することができ、640mmや630mmスケールなどの小ぶりなギターにもジャストフィットさせることが可能です。
一般的な650mmのギターでも微妙に隙間ができ、クロスを詰めて使うようなこともあるため、その点はおすすめです。
操作も「ケース内部のベルトを引っ張るだけ」といった簡単なものなので安心です。
また、ケース内装上部(蓋側)にも工夫が施されており、ギターのネックの両端に少しクッションが被るような構造になっています。
それによりネック下部のクッションと挟み込むような形となり、ネックが横にずれることを防ぎます。
ケースによっては「なんかネックがカタカタ動くなあ」ということも珍しくないため、こうした配慮は嬉しいですね。
留め具もステンレス製で耐久性があり、付属ストラップもメッシュ生地とクッション付きの高機能なものになっています。
価格は少々張りますが、「高くてもいいから高性能なギターケースを」という方にはおすすめです。
③ロッコーマン レザーファイバークラシックギターケース
・重さ:2.8kg※ストラップ除
・参考価格:¥48,000(※税別)
クラシックギター関連グッズの取扱で有名なロッコーマンのハードケースです。
グラスファイバーを用い2.8kgと比較的軽量かつ、外側に型押しの人工皮革を配したドチャクソお洒落な仕上がりになっています。
ストラップも2本備え、リュックのように背負うこともできるため、持ち運びも非常に楽です。
小物が入るスペースもあるため、チューナーなどの収納も問題ないです。
「他の人とは違ったケースを使いたい」という方にはぴったりかと思います。
④bamギターケース
・重さ:3.2 kg
・参考価格:¥69,100(税込)※Amazon(2020/1/17時点)
高級ギターケースの代名詞的存在です。
ABS樹脂の外層・内装生地・下の内層には「エアレックスフォーム」を挟んだ三層構造となっています。
「エアレックスフォーム」は保温・保湿性に優れた高強度の独立発泡体コア材で、その軽量さと高い衝撃吸収性能から、飛行機や船舶のボディ等にも使われます。
ギターケースに用いるには十分すぎる素材です。
ネック部分には取り外し可能な収納ポーチも備えます。
クッション性もあるポーチのため、ネックレストとしても機能します。
ストラップも2本付属し、リュックのように背負うことが可能です。
ストラップに使われるフックはクライミングなどで利用されるものと同じくらいの強度を持ったカラビナを使用しています。
ストラップのフックが外れたり割れたりするという話も聞いたことがありますが、このくらい強いフックであれば安心ですね。
ケース重量も3.2kgと比較的軽量なので、持ち運びに苦慮することはないかと思います。
1点、ストラップを2本つなげてケースを立てた際、ストラップが地面と接触する点は少々気になります。(雨の日とか特に)
ケース自体の強度や性能を考慮すれば些末な問題かもしれませんので、「とにかく高性能なハードケースを」という方にはぴったりのケースです。
おすすめのセミハードケース
おすすめのセミハードケースについて書いていきます。
…が、価格順に「造りのしっかり感」は順当ながら、大まかな使用感(重さ)は大きく変わらないです。
また、セミハードケースは数年の利用(週数回の運搬)で背中部分のストラップ装着部がへたってくるため、比較的消耗品的な側面もあります。※ギター以外のものをどれだけ入れるかなどにも影響されますが。
特段こだわりがない方は安価なARIAのケースを数年で買い替える、というのも一手かと思います。
⑤スーパーライト(Super Light) クラシックギターケース
・重さ:2.1㎏※ストラップ除
・参考価格:¥21,980(税込)※Amazon(2020/1/17時点)
セミハードケースとして最高峰のクオリティで、松竹梅で言えば「松」です。
価格はAmazon等で2万円強と比較的高めですが、その分造りはしっかりしています。
内装の高級感と、特にバックル部分の留め具を閉じたときの感触も「気持ちいい」といった印象で使用感が良いです。
※感覚としては、格安スマホを触った後に最新のiPhoneを触ったときの感覚に似ているかもしれません。
ファスナー部分も止水ファスナーになっており、多少の雨であれば問題なく使用できます。
A4ファイルが余裕で入る大きさの外部ポケットもありますので、ギターアンサンブルなどで楽譜を大量に運ぶ必要のある方にはぴったりです。
私も学生時代にギターアンサンブルサークルに所属していましたが、このスーパーライトケースを愛用している人もけっこういました。
日常的にギターの持ち運びをする方は、少々奮発してこちらのケースを選んでもいいかもしれません。
⑥MAC-150 クラシックギターケース
・重さ:2.3kg※ストラップ含
・参考価格:¥14,233(税込)※Amazon(2020/1/17時点)
松竹梅で言うところの「竹」レベルのセミハードケースです。
おそらくご覧になった多くの方が
「ほぼスーパーライトケースやんけ!」
と思われることと思いますが、ぶっちゃけ似たようなもんです(笑)
大きな使用感はスーパーライトケースと大きく見劣りせず、十分な保護性能と軽さ、楽譜やチューナーが軽々入る収納ポケットがあります。
が、
・バックル部分が金具ではなくマジックテープ
・止水ファスナーでなく普通のファスナー
・ストラップの品質もスーパーライトケースほどではない
といったように、細かな部分では「価格相応」感が出てきます。
とはいえ、セミハードケースとして必要十分な機能は満たしていますので、「高級感はいらないんだよなあ」という方はこちらのMAC-150ケースがおすすめになります。
⑦ARIA LFC-120 クラシックギター ライトフォームケース【おすすめ】
・重さ:2.0kg
・参考価格:¥10,800(税込)※Amazon(2020/1/17時点)
松竹梅の「梅」レベルのセミハードケースですが、正直、これでも十分使えるレベルの性能です。
値段はガクッとお得になって、Amazon等で1万円強くらい。
初めてセミハードケースを使う方などは、コスパ的にこれが一番満足度が高いかもしれません。
重さも2.0Kgと軽量でクッションも十分、ストラップ2本付きで背負っての持ち運びも可能と、セミハードケースの特長は網羅できています。
もちろんA4サイズも入るポケット付きです。
好感が持てるのが、背面のストラップ接続箇所が2つあり、背負ったときの高さを調整できる点です。
これはスーパーライトケースやMACケースにないメリットで、身長の高い方・低い方にはむしろこのケースの方が便利に感じるかもしれません。
ついでにネック部分が少しシェイプアップされていて、スタイリッシュなのもいい点ですね。
「コスパのいいセミハードケースがほしい」という方は十分選択肢に入ると思います。
逆に、「ちょっとチープすぎるなあ」と気になる方はMACケース・スーパーライトケースを視野に入れていただくと良いです。
おすすめのカーボンケース
ハードケースの頑丈さと軽量化を両立させたカーボンケースについて書いていきます。
…と言っても、おおよそ選択肢もないような状況なのですが。。。
⑧アランフェスギターケース カーボンモデル【おすすめ】
・重さ:2.3Kg
・参考価格:¥75,200(税込)※Amazon(2020/1/17時点)
ハードケースの項目でも触れたアランフェスケースのカーボンモデルです。
アランフェスケースが元々持つお洒落感、性能はそのままに、約2.3kgというセミハードケース級の軽さを実現させた高性能ケースです。
おおまかな使用感は「軽いアランフェスケース」の一言で、私も10年くらい愛用しているのですがまだまだ現役です。
弱点を強いて述べるなら防水性が若干心配なのと、カーボン繊維を利用している関係かケース外装がざらざらしているため、服やカバンとの摩擦に気を付けた方が良い、という点でしょうか。
あと値段の割に内装がめちゃくちゃシンプル。トータルの強度はbamやヴィセスナットの方に軍配が上がると思います。
まあケースが壊れるくらいの衝撃を受けたら自分も無事じゃないでしょうし「軽さのため」と思って気にしてませんが。
特に摩擦は普通に使う分には大丈夫なのですが、トレンチコートのベルトのように出っ張った部分に荷重がかかるとヤスリをかけたみたいになるので注意が必要です。
↓小一時間ほど背負って歩いただけでコートがこうなる(真ん中くらいの白い部分。生地がちょっと削れてる。)
あ、あともう一つの弱点は7万円以上と「高い」ですね(笑)
とはいえ、クラシックギターケースの買い替えはそう頻繁ではなく、私に関しては長年(10年くらい)愛用できていることを考えると、納得感のある価格かもしれません。
昔はカムフラージュ色しかなくて、私はシルバーのカムフラージュを使っているのですが、
時々
「これ自分で塗装したんですか?」
とか聞かれて
「誰がやるかそんなん」
と思ってちょっと嫌だったのですが、
今では
「うん、大変だったんだよ」
などと言えるくらい愛着がでています。
次はナチュラルカラーを買いますが
「ハードケース級の耐久はほしい・とにかく軽いのが良い・収納は小物だけでOK」
という目的の方には、この上なくぴったりなギターケースだと思います。
おすすめのソフトケース【一応】
「おすすめできない」などと書いておきながらですが、それでもソフトケースが良いという方向けに1つだけ良さげなのをご紹介できればと思います。
(⑨)ARIA ABC-300CFクラシック・フォークギター用ギグバッグ
・重さ:1.5kg
・参考価格:¥6,480※Amazon(2020/1/17時点)
ソフトケースの中でも比較的コストパフォーマンスが良いケースです。
防水性に優れた生地とファスナーを用い、内部は18mmのパットで保護性能も高く、取り外しが可能なネックピローも付属します。
A4サイズも収納可能な大型ポケットと、一回り小さなポケットも備え、収納力はかなり高いです。
横持ち用のキャリーハンドル、リュックスタイルストラップに加え、縦持ちに便利なグラブハンドルも備えており色々な持ち方に対応可能です。
ソフトケースなので強い衝撃や満員電車などの圧力には少々不安ですが、日常的な運搬程度であればけっこう安心して使えるくらいのスペックを備えています。
「万一のリスクを承知でも軽いケースを」という方にはおすすめのギターケースです。
おわりに
クラシックギターケースの選び方・おすすめのクラシックギターケースを紹介させていただきました。
十数年に渡って、メジャーどころのクラシックギターケースを使い、時には「失敗したなあ」と自身の使い方にマッチしないケースを買ってしまうこともあったので、その時の反省も込めてこの記事を書いた次第です。
※特に長い記事になってしまいましたが。。
クラシックギターケースを選ぶ際のご参考になりましたら幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。