THE BEATLESの名曲「Yesterday(イエスタデイ)」をソロギターアレンジ・演奏しましたので、曲について書いていこうと思います。
自身の楽譜(TAB譜)・ギター演奏動画リンクも貼っていますが、Yesterdayの楽曲自体・ソロギター全般についての内容も多く書きましたので、「目次」からご興味のある部分だけでもご覧いただけると嬉しいです。
目次
Yesterday(イエスタデイ)の概要
「Yesterday(イエスタデイ)」は1965年に発表されたTHE BEATLESの楽曲で、レノン=マッカートニー名義ですがポール・マッカートニーが単独で書いた楽曲です。
当初は同年イギリスで発売されたアルバム「ヘルプ!」に収録され、「ビートルズのイメージに合わない」とのことでシングル・カットを拒否していたそうですが、アメリカではシングル盤として発売され、5週間で100万枚以上の大ヒットとなりました。
非常に多数のアーティストによってカバーされていますが、ソロギターとしても多くの方が演奏し、広く親しまれていることから、同楽曲の名曲ぶりが伺えます。
Yesterday(イエスタデイ)のソロギター楽譜/動画
よかったらチャンネル登録いただけると大変嬉しいです。
楽譜
【TAB譜】Yesterday(イエスタデイ)【ソロギター】
演奏動画
【ソロギター】Yesterday(イエスタデイ)
Yesterday(イエスタデイ)のコード進行とフレーズの特徴
Yesterdayのコード進行と、フレーズの特徴について書いていきます。
Yesterday(イエスタデイ)のコード進行
各フレーズのコード進行は以下の流れです。(原曲キー)
----
【イントロ】
F
【Aメロ】
F→Em7→A7→Dm→Dm/C
B♭→C7→F→Em7
Dm→G7→B♭→F
【Bメロ】
A7sus4→A7→Dm→C→B♭→Am7
Gm6→C7→F
【エンディング】
Dm→G7→B♭→F
--------
…こうして見ると非常にシンプルなコード進行・構成ですが、飽きさせないのはやはり凄いところです。
Yesterday(イエスタデイ)のフレーズの特徴
飽きない理由の一つとしては、やはり冒頭の「F→Em7→A7→Dm」の進行が非常に印象的で、何度でも聴けるくらいに心地良いから、だと感じます。
この進行は、いわゆるオシャレ進行として有名な「ツー・ファイブ・ワン」にあたります。
「Em7→A7→Dm」の動きが、「A7」を「Ⅴ」と見立てた際に「Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅰ(m)」といった動きになっています。
本来、Key:Fの楽曲ではⅢのコードはAmのはずですが、メジャーコードのA7になっている点、次いでマイナーコードのDmに解決するため、曲全体がメジャーとマイナーを行ったり来たりしているかのような浮遊感があり、独特の心地良さの要因となっています。
この「冒頭でⅢがメジャー化」というコード進行は比較的ポップス曲でも使用されていて、近年ではOfficial髭男dismの「Pretender」のAメロや、aiko「キラキラ」のAメロでも見られます。
前者は「それは予想通り」でのC7、後者は「(待って)るねいつ」でのCがその「Ⅲメジャー」にあたります。
※奇しくも両曲はキーまで同じです
ちょっと脱線しますが「キラキラ」においてはその後、「D♭→D♭m」(=「Ⅳ→Ⅳm」)とサブドミナントマイナーまで畳み掛けるように展開されているので、Aメロ冒頭から猛ラッシュをくらったような心地良さを感じることができます。人気曲なのも頷けます。
…話を戻しますが、どの曲も冒頭から何とも言えない「ふわっ」とした雰囲気を感じるかと思います。
イエスタデイでは、Bメロにおいても「A7sus4→A7」と、AmではなくA7が使われています。
「sus4→メジャーコード」への解決は鉄板の進行ですが、どちらかと言えばフレーズや曲の終止で用いられるケースが多く、フレーズ冒頭で持ってくるのはかなり前衛的な進行だと感じます。
進行だけでなく、美しいストリングスの音も印象的ですが、当時は「ロックバンドがストリングスを使用した」という点で話題になったそうです。
今でこそロック曲にも弦の音が入るのは一般的ですが、その走りだったという点でやはり挑戦的な楽曲だったと言えます。
総じて、シンプルながらも非常に完成された楽曲であることを、今一度確認した次第です。
Yesterday(イエスタデイ)のソロギターアレンジについて
今回、ソロギターで編曲・アレンジをしたわけですが、前述の通り完成された楽曲ですので、素直にソロギターに落とし込んだだけ、というのが正直なところです。
とはいえ「弾きやすさ」は、かなり意識したところではあります。
曲のキーはF→Cに変更し、開放弦を多く使える簡単めなアレンジとなっています。私自身、弾きにくい曲は苦手ですので笑
Bメロ直前のベース音はリズム感・安定して入れるのが少々難しいかもしれませんので、弾きにくかったら直前の「ファ」の音はカットしてしまって大丈夫です。
総じて、初心者の方に弾いていただきやすいようにアレンジしてみた次第ですので、活用いただけると嬉しいです。
おすすめのYesterday(イエスタデイ)ソロギター動画
独断と偏見によるチョイスですが、ぜひ多くの方に知っていただきたい偉大な先人たちのYesterday(イエスタデイ)ソロギター演奏動画をご紹介させていただきます。
※敬称略
Stephanie Jones
ガットで弾いている動画が多くない中、素晴らしい演奏を見つけることができました。。
アレンジ・技術・表現ともに感動のレベルです。
今回色々調べる中で知ることができましたが、こういった演奏を見ると本当にこの曲の良さを再確認できますね。
イチオシです。
和水 真(いずみしん)
テンション感のあるクールなアレンジです。TAB譜も付いているので親切設計です。
この方、めちゃくちゃお上手なのと基本的にTAB付動画でアップされているので、個人的にめちゃくちゃおすすめなギタリストです。
ぜひチャンネル登録ください。
Adam Rafferty
アコギのソロとして教科書のような、非常にスマートなアレンジ・演奏です。
クラシックギター出身としては、アコギのフィンガーピッカーの音って苦手に感じることが正直多いのですが、優しく美しい、素敵な演奏です。
おわりに
つらつらと書きたいままに書かせていただきました。
Yesterday(イエスタデイ)は、もはや今さら私が語るまでもない名曲ですが、おすすめな動画に挙げたように近年でも積極的に素晴らしいソロギターアレンジ・カバーがされているのが凄いですね。
ちなみに、ビートルズ活動時点でさえ1,000を超えるカバーが行われ、「世界で最も多くカバーされた曲」としてギネス認定されているそうです。
説明不要なほどの名曲かつ、初心者向けアレンジも比較的多い楽曲ですので、ソロギター愛好家の方には大変おすすめの楽曲だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。