この記事では「せっかく編曲したわけだし、個人で楽譜販売したい」という方向けに、楽譜販売サイト「Piascore(ピアスコア)」で楽譜を登録し、売る手順・方法を書いていきたいと思います。
他にも色々とある楽譜販売サービスと比較して、使いやすさや「企業・法人でなくともOK」だったり、個人で手軽にJASRAC管理楽曲の楽譜販売可能なのがありがたいサービスです。
一度アップしてしまえば管理の手間もかからず自動で運用できるので、本業の傍らで行う副業としてもおすすめです。
目次
気になる収益率について
※2022年2月時点で最新の料率に変更済
収益の料率ですが「最大80%」です。楽譜個人販売が可能なサービスは色々ありますが、使い勝手の良さもあって良心的なサービスだと思います。
料率イメージはこんな感じで、「著作権切れ楽曲」×「Web購入」パターンが最大で80%です。
「最小40%じゃん、帰るわ」とがっかりされる方もいらっしゃるかもですが、数百件の購入履歴上でも「アプリ購入」というのがまずなくて、料率良好なケースが大半なので、その点はご安心いただけますと幸いです。
私の場合は多くが「外国作品」×「Web購入」なので、概ね60%の利益ということになります。
同様の他社サイトでは以下のような形なので、Piascoreの方が10%ほど利益率が良いです。
・mucome→50~70%の利益
・My Music Sheet→47~54%の利益
「自分で編曲した楽譜を売るなんてとんでもない」
という謙虚な方も多いと思いますが、私も嗜むギターアンサンブルの楽譜は何かと不足しがちです。(曲そのものはあっても、パート数・編成が合わないなど)
他のジャンルにおいても、「別に楽譜を売りたいとまでは思わないなあ」という方も、お金の話は一旦置いておいて「登録しておくことで、その曲の楽譜を求める誰かの助けになるかも」という考え方で、やってみても良いのではと思っています。
※YouTubeで良い感じの演奏を見て、概要欄に楽譜リンクがあってありがたかった、みたいなこともあるはずです。
事前準備
販売登録を行う前に準備すべきモノについて書いていきます。
必要となるモノ
↓以下のように、登録画面の最初の方に出てくる親切設計ですが、事前に準備しておきましょう。
項目としてはこんな感じです。
〇楽譜のPDFファイル
〇楽譜に関する情報
・曲名、曲の説明
・価格
・ジャンル、アーティスト
〇表紙画像※任意
〇著作権情報
JASRACやNexToneで管理されている楽曲の場合、それぞれの管理番号が必要になりますので、事前に調べておきます。
(〇サブ出版社の利用許諾書)
対象楽曲がサブ出版社の管理下にある場合、サブ出版社からの利用許諾書も必要になります。
主に海外楽曲の場合、ですが、体感上ギターアンサンブルで演奏されがちな曲では必要となるケースが多いです^^;
サブ出版社への申請手順は、以下の記事にざっくりまとめてますのでご参照ください。
【未登録の方のみ】販売者アカウントの登録
販売者アカウントを持っていない方は、まず販売者アカウント登録を行います。
以下リンクの「販売アカウント作成」より。
https://publish.piascore.com/
アカウント作成完了後、ログインしたら次の手順に進みます。
楽譜の登録
本番である楽譜の登録を行っていきます。
楽譜ID・販売地域の登録
Piascore上における楽譜IDと、販売対象地域の登録を行います。
販売対象地域については、JASRAC等の著作権団体管理下の楽曲の場合は日本のみになります。
IDについては、入力文字列による有利不利は無いかと思います。
私は都度考えるのも面倒なので、「先頭を固定文字列」+「_(アンダーバー)」+「曲名から2~3文字」などとしていますが、各々気の向くまま入れてしまって良いかと思います。
※2019/7/4追記
…なんだかいつの間にか楽譜IDに「_(アンダーバー)」が使えなくなっていました^^;
「先頭を固定文字列」+「曲名から2~3文字」とかでいいと思いますが、ここは各々管理しやすい規則で付けちゃってOKです。
楽曲情報の入力
続いて楽曲情報を入力していきます。
曲名や読み仮名、楽曲の説明やらYouTubeリンクなどが対象です。
※2019/7/13追記
以前あった「キーワード」の機能は、「タグ」機能に置き換わっていました。
入力方法としては「キーワード」機能と同様にカンマ区切りで入力していきます。
【豆知識的な話】
ここの曲名やら説明文はGoogle等の検索エンジンや、Piascoreのタグ検索でもろに影響してくる部分っぽいので、ちょっと真剣に準備した方がよさそうでした。
以下のイメージです。
〇曲名・説明
Googleなどで検索されそうなキーワードをちりばめておくと良いです。
※「曲名 ギター合奏譜」とか、英語の曲名の場合、カタカナの曲名も併記しておくなど。
〇タグ
Piascoreサイト上で検索対象となるようなので、検索されそうな文言をちりばめておくと良いです。
表記ブレや日英表記なども見越して入れておくと良さそうで、外からは見えない項目のようなので多めに入れても問題なさそうでした。
※例えば「リベルタンゴ」ならカタカナ表記はもちろん「Libertango」とか、作曲者名も「ピアソラ」「Piazzolla」で入れておくなど。
※2019/7/13修正
また、タグに入れたキーワードは公開画面で以下のように表示され、クリックすることで同じタグが付けられた楽譜をチェックすることが可能です。
配信情報の入力
↓以下画面「編集」より、価格や楽器、参考難易度といった情報を入力していきます。
※2019/7/13修正
価格は2019/7/4のアップデートで、旧仕様の「120円刻み」ではなく「任意価格の設定」が可能となっていました。
ですが以下のようにJASRAC・NexTone等の著作権団体管理下の楽曲も「無料」の設定はNGなようです。
※古いクラシック曲など、著作権管理期限が切れた楽曲については以下のように「無料」の設定が可能で、以下のようにダウンロードし放題?みたいになります。
・威風堂々第1番ギターアンサンブル譜【無料】
https://store.piascore.com/scores/10554
↓以下から表紙画像の入力も行っていきますが、特段こだわりがない場合は入力しなくてもPDFから勝手に生成してくれるので不要です。(これがほんと便利。。)
↓人名(作曲者・アーティスト名)、ジャンルも入れていきます。
人名については、以下のような画面にて、登録済のものから選択する仕組みでした。
※正直ここは若干使いづらくて、なさそうだったら自分で登録を要するのもちょっと面倒。
ちなみにジャンルはプルダウンメニューから選択する仕組みで、「ドンピシャのジャンルがない曲もありそうだなー」という印象でした。
マニアックな楽曲を登録される方はちょっと困ってしまうかもしれません。
著作権情報の入力
JASRACやNexToneの管理番号を入力します。
多くの場合、著作権管理団体の管理楽曲だと思いますので、各団体データベースで事前にちゃんと調べておきましょう。
以下のように入れていきます。
・著作権管理団体名→JASRACかNexToneから選択
・著作権管理番号→上記団体データベースにて事前に調べた番号を入力
・IVT区分→ギターアンサンブル譜なら「曲のみ利用」でOK※詞も書いた楽譜なら「曲・詞ともに利用」
・原詞訳区分→ギターアンサンブル譜なら「なし」でOK
・外国作品→外国作品の場合はチェック入力
楽譜登録の申請
楽譜登録の、おおよそ最後の段階です。
↓以下の画面より、「販売申請する」を押下し、楽譜登録の申請を行います。
ここまでやったら、あとは基本的に待ちです。( ˘ω˘)スヤァ
【サブ出版社ありの場合】利用許諾書のアップロード
上記画面でもチラッと出てますが、JASRAC以外の企業がサブ出版社として権利を所持している場合、事前に利用申請をしたうえで提供される「利用許諾書」を、Piascoreサポートにお送りする必要があります。
そうしないと「勝手に使ったらあかんで」と言われてしまうわけです。
※サブ出版社の話やら許諾書云々についてはこちらの記事にて記載しております。
【2019/8/12修正】
かつてはサポートのメールアドレス宛に「許諾書の送付」といった手順でしたが、8/7のアップデートで管理画面上から許諾書をアップロードできるようになってました。
これはサポートの方も楽譜販売者の方も助かる、すばらしい機能追加かと思います。とてもありがたい。。。
以下の画面から、サブ出版社から返送された許諾書をアップロードします。
販売開始の通知
申請の後、だいたい1日しないうちに、くらいでしょうか。
体感ではかなり早く以下のような承認メールが届き、販売が開始されます。
※2019/7/4追記
最近はもう少し時間がかかるケースが増えた気がします。ユーザーが増えてきた影響かもですが、そうであれば良いことですね^^
販売開始されると見た目はこんな感じになります。透かし(「SAMPLE」の文字)が勝手に入るのはほんと助かります。
こんな感じで販売してますので、良かったらご覧いただけると嬉しいです。
【Piascoreでの取扱楽譜一覧リンク】
https://store.piascore.com/search?c=218
【まとめ】「楽譜を手軽に売りたい」方にピッタリの販売サイト
一言で表すと「楽」な楽譜販売サイト、です。
個人で「編曲した楽譜を売りたいなー」という方には、副業としてもおすすめ。
〇販売開始に必要なもの
最低限以下の準備でOKです。
・楽譜PDF
・楽曲の最低限の説明文
・著作権管理番号
〇著作権周りの管理が楽
PiascoreはJASRAC・NexToneといった著作権管理団体と包括契約をしているサービスのため、個人での利用申請やら販売数計上といった面倒な管理は不要、要するに「楽」です。
〇表紙画像の準備も不要
表紙サムネイル画像はPDFファイルから勝手に作ってくれるので、こだわりがなければ不要というのも「楽」です。
※DLmarketなど他サービスでは、自分でいい感じのサイズで作る必要があったりしました。。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
※2019/7/13追記
なんでも、諸問題でサービス終了したDLmarketの楽譜販売事業の譲渡先がこの「Pascore」になったようで、DLmarketより「ご希望ならDLmarketで扱っていた楽譜をPascoreに移行します」という案内が来ていました。
取扱楽譜数やユーザー(及び販売アカウント)が一気に増えるであろうと思われ、色々と楽しみですね。