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【読者からの質問】ギターアンサンブルサークル指揮者のお悩み【第1部】

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何事も続けていると良いことがあるようで、このブログを見てくれた方からギターアンサンブルに関するご質問をいただきました。ありがたい話です。
「ギターアンサンブルのサークルで編曲と指揮をされる方」ということで、「あ、ギターアンサンブルサークルで忙しい立場の人だな」って印象で、そんな方からのご質問なので、「この手のことに悩んでる人は多そうだなあ」と思いました。

なので、本人にもご了承をいただきまして、今回はそのご質問への回答を本記事にも書かせていただく形となりました。
※ご協力本当にありがとうございます^^

思ったよりも良いボリューム感となりましたので、第1部第2部に分けて書いていきたいと思います。

【質問】指揮に集中するあまり、演奏後の指摘がうまくできない

指揮を振るのに精一杯で演奏をあまり聴けず、演奏後の指示があまりできないことが多いです。

これはそうですね、状況次第ですが、あまり気にしなくてもいいのかもしれません。
というのも、「やりようはある」と思うからです。

【回答】「指揮に精一杯」な場合

言葉通り「指揮に精一杯」で演奏をあまり聴けていないのであれば「聴くのに注力できるような環境を作る」、例えば「ちょっと意識して聴きたいから指揮振らないけど弾いてみて」というのもありだと思います。
もしくは指揮を振りながらスマホなどで録音しておいて、演奏終了後に演奏者と一緒に聴きながらコメントし合う、などでもいいと思います。

録音はスマホでも事足りますが、以下のようなスマホに接続して使えるマイクとかあるといいですね。

聴くとき用にBluetoothスピーカーとかもあると尚良しです。

奏者が常に置かれている状況、「演奏者の位置で弾きながら全体を俯瞰して聴く」のはけっこう難しいため、この「録音」→「みんなで聴く」というのは案外演奏者にとってもいい刺激になったりして、喜ばれると思いますよ。(私もこの「録音」→「みんなで聴く」というのは「時々しかないちょっとしたイベント」みたいな感じでけっこう楽しみでした。)

演奏者は「指揮者以上に精一杯で演奏を聴けてない」わけで、最悪「最後まで合奏の全体像がわからなかった」みたいなこともあり得るため、気分転換と実益を兼ねて、試してみても良いかと思います。

【回答】実際「言うほど悪い演奏じゃないので言うことが少ない」場合

「指示ができない」というのが、「あまり聴けてないとはいえ悪いところも特にない」ようであれば、まあその曲の習熟度はそれなりに高まったと考え、他の曲に注力して良いのかもしれません。

【回答】要約

ざっくりまとめますと、
・曲の完成度が低い場合→聴くのに集中できるようにする。「振らないで聴く」とか「録音してみんなで聴く」
・曲の完成度が高めの場合→「(相対的に)指摘箇所がないから注意できない」と考え「(一旦)他の曲を優先する」

といった形で切り抜けてはいかがかな、と思います。

追記

シンプルに「耳をちょっと鍛える」というのも有効だと思います。(つらいですが)
必要以上に意識を向けなくても聴きとれる情報量が増えれば、今よりも余裕をもって指揮に臨めるはずです。

↓こんなところでしょうか。
・ピアノ(電子可)で3音の和音を弾いて、真ん中の音と同じ高さで発声する【オススメ】
・以下の「問題に挑戦!」の聴音など

https://pianeys.com/ear/training3/
※↑私もあんま聴音得意じゃないし、ほぼできないので、もしできなくても気にしなくて大丈夫です^^;

【質問】そもそも演奏に対するコメントがうまくできない、注意すべき点がわからない

そもそも指示がうまくできません…メロディのちょっとしたズレばかりに気づいてしまいます。どういう所に注意して聴けば良いのか知りたいです。

細部に気づけること自体はいいことだと思います。(おそらく元々耳が良いのでしょう)
最後の最後に曲のクオリティを決定づけるのは、「タテがばっちり揃っているか」とか「スタッカートや強弱などの曲想が演奏者間で徹底されているか」といった、細部の精度だからです。

【回答】逆に「自分なりに注意して聴く箇所」を決めてしまう

それでも「どういう所に注意して聴けば良いのか」と悩まれるというなら、まずは自分なりに「どういう所に最も注意して聴くか」を決めてしまうと良いと思います。
練習を取り仕切る立場だったり、コンサート全体をデザインする立場の人が何を重視するか、というのは、結果として演奏全体のまとまりに影響してくるからです。
…ざっくり言えば、「ここだけはお客さんにちゃんと伝えたい」という軸のようなものを、指揮者として持っておく、ということでしょうか。

参考になるかわかりませんが、私は以前は「端正な演奏こそ至上」と考えていたので、それこそ「メロディのちょっとしたズレ」だとか、細かい部分を徹底的に潰すことに意識を向けていました。(演出だったり演奏の大局的な流れは「ステージマネージャーや指揮者に任せりゃいいや」と思っていたから、というのも理由です。)

【回答】「軸」がまだ定まらない場合の対応策

「いや、その『軸』がわからんから悩んでるんだよ」と思われる場合は、まずは「奏者の意識が『弾く』ではなくて『音を届ける』に向いているかどうか」を軸として仮置きしてみると良いかもしれません。
ほら、「粗削りだけどグッとくる演奏」ってあるじゃないですか。
ああいう演奏って、「タテが揃ってるか」とか「曲想がしっかりしているか」といった次元ではなくて「いい」って感じるものですよね。
何と言うか、「聴いてる人を楽しませるぞ」という気持ちが伝わってくるからだと思います。

「当たり前でしょ」って印象かもしれませんが、大人数のアンサンブルとなってくると、意外と「流して弾く」場面が多いものです。特に練習の場面では。(私も正直学生時代の練習では「今日は眠いし適当でいいや」とか思うこともありました)
ですが当然、練習の時にできないことは本番ではできません。

なので、練習の場面において以下の項目に気を付けると良いと思います。
・まずは演奏者が「弾く」でなく「音を届ける」意識となっているか
・指揮者にその意識が伝わってくるか
・(本来はいるはずの)聴衆にもその意識が向いているか

精神論的な話になってしまいましたが、その意識がベースにあるかどうかで、普段の練習効率も段違いに変わってきて、自然と曲のクオリティも高くなってきますよ。
(「聴かせる」ことに意識が向くと、奏者各々自ずと全体の音量バランスやリズムに気が向くようになるためです)

【回答】要約

ざっくりまとめるとこんな感じかと思います。
・自分なりの「軸」がすぐに定まる場合→その点に意識を向けて聴く
・自分なりの「軸」がまだ定まらない場合→まずは「演奏者の意識がしっかりと音を届けるモードになっているかどうか」の判断を仮の軸としておいて、徐々にご自分なりに本当に大事にしたい軸ができてきたら、それを重視してあげる

一周回って「メロディのちょっとしたズレ」に注意を向けることに落ち着くかもしれませんが、今よりも高いレベルで注意を向けられるはずですよ。

【回答】補足

「気をつけて聴くべきこと」で「自分なりの軸云々」とか言いましたが、その辺りは定期的に「良い音楽」に触れることで固まってきたりします。
音楽配信サービスやYouTubeなどでも良いですが、できれば月1回くらいのペースで「コンサート」に足を運ぶと良いです。
「コンサート」と言っても「チケット1枚5000円~」みたいのはまあ年1~2回で良く、アマチュアの演奏団体が開いている無料のコンサートで大丈夫です。(他団体のギターアンサンブルサークルの演奏会などはちょうど関心が向いてると思うのでいいかもですね)

同ジャンルであるギターアンサンブル(とかクラシックギターソロ)のコンサートもいいですが、たまに他ジャンルに触れるのもおすすめです。
ロックやポップスのバンドのライブ、合唱などもいいと思います。

砕けたジャンルの音楽は、我々クラシックギター奏者が忘れがちな「楽しませる演出」みたいなものを勉強するのにぴったりですし、「楽しそうに演奏すること」の大事さを思い出させてくれます。(個人的には、学生時代に行った他大学のゴスペルサークルのコンサートがめちゃくちゃ楽しそうで、「いいなあ」と思ったのを今でもよく覚えています)

いくつか見ているうちに「刺さるものとそうでないもの」が何となくわかってきて、それを他彫りして「なぜ良いとおもったか、そうでもなかったか」を具体的にすることで、だんだんと自分なりの軸になってくると思います。

【第1部】おわりに

「ギターアンサンブルの編曲」というよりは、「ギターアンサンブルサークルの練習で指導するときのコツ」という要素が強かったと思いますが、冒頭で述べたとおり「この手のことで悩む方は多そう」だと感じます。
というか、クラシックギター(とか人によっては音楽)未経験の方がいきなり「練習を仕切れ」って言われても、「そりゃ困るよな」と思います。

なので、こうした悩みや疑問を持つことは何ら恥ずかしいことではないと思いますし、もしこの記事がそうした悩みを持った方の目に触れて、一時でも「次の練習の時にこれ気を付けてみよう」など、前向きに練習に臨めるきっかけになるなら幸いだな、と思います。

もう3つご質問をいただいているので、第2部ではそちらに回答していきたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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