「ソロギター編曲・アレンジに興味があるけど、何からすればいいのか」という方向けに、noteにて「ソロギター編曲の手順・やり方」をまとめてみました。
随分前に「ギターアンサンブル編曲の手順」もまとめていましたが、ソロギター編曲版もようやくできた次第です。
詳しくはnoteの方になりますが、こちらでは要点を掻い摘んで書いておきたいと思います。
目次
メロディ(だけ)を書き起こす
不慣れなうち、というか多少慣れていても「頭の中だけでアレンジ」というのはめちゃくちゃしんどいです。そこで、「メロディだけを書き起こす」という作業を行います。
結論、この動画のような状態を作りましょう、ということです。(ジブリ音楽「海の見える街」をサンプルにしています)
耳に自信のある方は耳コピでも大丈夫ですが、参考にできる楽譜が手元にあると効率が段違いに良くなるので、準備できると良いです。以降の手順でベース音・和音を加える際にも役立ちます。
「曲名 楽譜(バンド譜)」で検索して探したり、以下の「ぷりんと楽譜」ような楽譜サイトで曲名検索をしても良いでしょう。
ヤマハ「ぷりんと楽譜」
「何に書き起こすか」については、五線紙でもOKですが楽譜作成ソフトが圧倒的におすすめです。以下の「MuseScore」なら無料で使えます。
「MuseScore」公式ページ
「そもそも楽譜が苦手」という方は、「自分にだけ分かるような形でメモる」でもOKです。
ちなみに、「メロディ(だけ)書き起こす」メリットは以下の2つです。
①楽譜の枠(入れ物)ができて、以降の編曲がスムーズになる
②メロディは「ほぼ変えない」ので腐らない
建築で言うなら「骨組みができた状態」になるので、内外装や装飾がしやすくなる、というイメージですね。
視覚化できるので、「隙間をどう埋めるか・作るか」といったような考慮も落ち着いてできます。
noteの方ではもう少し掘り下げて書いておりますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
【ソロギター編曲の手順】①「メロディ(だけ)を書き起こす」
「メロディを弾きながら弾けるベース音」を入れる
「枠」ができたら、「メロディを弾きながら弾けるベース音」を入れていきます。
「メロディを弾きながら弾ける」というのが大事で、「実現性を考慮した編曲」が必要になってきます。
ちょっと難しい言い回しになっていますが、要は以下のような「指が届かない」みたいな音の付け方はやめましょう、というだけのお話です。
こういう場合は、「1オクターブ上げる/下げる」などで指が届く運指にします。
特に「オクターブ上下させることで開放弦が使える」といったケースでは、運指が劇的に楽になるのでおすすめです。
開放弦で簡単にできるのは、ソロギター編曲の良いところだと思います。
「入れるべきベース音」については、1.の手順で用意した楽譜を基本とする形でOKです。
ソロギター編曲というのは不思議なもので「メロディ+ベース音」だけでもけっこう様になって、ここまでのところで半分くらいは編曲終了、と言っても良いくらいです。
こちらも、詳しいお話はnoteにてご覧くださいませ。
【ソロギター編曲の手順】②「メロディを弾きながら弾けるベース音」を入れる
「メロディとベース音を弾きながら弾ける和音」を入れる
ベース音の時と同じ考え方で「メロディ・ベース音を弾きながら同時に弾ける和音」を入れていきます。
「和音なんて分からないよ!」という方も安心してください。
多くの場合、1.の手順で用意した楽譜に、以下のような参考になるものが載っていますので、音楽理論の知識は不要です。
・「C」や「Dm」等の「コードネーム」
・メロディ/ベース音以外の音(和音)
コードネームから構成音を把握するには、以下のようなサイトが便利です。
https://www.piano-c.com/pianoChord_CMa.html
基本的には、以下のような考え方で音を追加する/しないを判断していきます。
・コードの構成音と「メロディ+ベース音」を比較し、「まだ鳴ってない音」を把握する
・「まだ鳴ってない音」は、「メロディ・ベース音を弾きながら同時に弾けるか」を確認
・同時に弾けるなら加える、弾けないなら加えない
なお、「メロディ+ベース音だけで指が足りないなあ」ということはよくあります。これはギターという楽器の性質上仕方ないです。
その場合、以下のように「メロディ・ベース音」のままでも全然OKです。
もうちょい細かいお話はnoteでご確認ください。
【ソロギター編曲の手順】③「メロディとベース音を弾きながら弾ける和音」を入れる
「遊びの要素」を入れる
ここまでの作業は「分解と再構築」だったので、ここの作業が「ソロギター編曲の肝」になってきます。
格好をつけた言い方をしていますが、大別すると以下のような点を意識して音を入れる(抜く)とお考えいただければと思います。
①フレーズ(メロディ)のスキマを埋める
②フレーズの変わり目で次のフレーズを予感させる音を入れる
③メリハリをつける
それぞれ、具体的には以下のような考え方になります。
①→ランニングベース等でベース音をスムーズに繋げる
②→ドラムのフィルイン相当のフレーズ・リズム変化を入れる
③→メロディが緩やかならベース音を動かす、逆パターンもアリ
1.~3.の作業では、編曲者による違い・個性が出づらい側面もありましたので、この部分が最もアレンジしがいのある・楽しくも辛い作業だと思います。
noteの方では譜例・参考動画等も含めて書いておりますので、noteの方がだいぶわかりやすいかと思います。
【ソロギター編曲の手順】④「遊びの要素を入れる」
「全体を見直す」=「TAB譜化」してみる
ここでやりたいことは、「実際に弾けるかどうかの確認」です。それにピッタリなのが「TAB譜化」ということです。
TAB譜化のメリットは以下の3つです。
①抜け漏れがなくなる
②改善の余地が見つかる
(③楽譜販売しやすくなる)
①については前述の通りで、TAB譜化することで「これ弾けないな」という箇所の発見が容易になります。
②についても、TAB譜化の中で「繋げて弾くと難しい、というか無理」みたいなフレーズを見つけることができたりします。
③は主目的ではないですが、TAB譜付の状態まで仕上げておくと、楽譜販売サイトでの売れ行きが良くなります。まあ、TAB譜ないと弾く気になりづらいですからね。。
※楽譜販売にご興味がある方はこちらの記事もご参照ください。
「要修正」のフレーズについては、以下のような形で対応していきます。(前述の手順2.~3.の観点で行います)
・音を省く(入れ替える)
・前後のフレーズとうまく接続できるか確認する
細かい部分はnoteにてご覧くださいませ。
【ソロギター編曲の手順】⑤「全体を見直す」=「TAB譜化」してみる(仕上げ)
ひとしきり行ったソロギター編曲完成版は、こんな形になります。
おわりに
ここまで本当にお疲れ様でした。
今回の手順というのは、あくまで私個人のソロギター編曲の流れですので、これが全てではないですし、もっと高度な編曲を望む場合は、それ用のお勉強も必要になってきます。
しかしながら、「好きな曲をソロギター編曲できるようになりたい」といった、楽しむためのやり方であれば、今回ご紹介した流れは多少お役に立てるのではないかと思います。
最初は勇気がいるかもしれませんが、ぜひ一歩踏み出していただけると嬉しいです。
ありがたいことに、このサイトを見て楽譜販売まで行うようになった方もいらっしゃいますので、こうしてご紹介できる方が増えていくと素敵だと思っています。(お手伝いしたのは楽譜販売サイト周辺についてだけですが)
分からない点諸々ありましたら、コメントやお問い合わせフォームでお気軽にお伝えください。
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この記事を読んでいただいたあなたが、素敵なギター人生を送っていただけるようお祈りいたします!最後までお読みいただきありがとうございました。