クラシックギターアンサンブル・ソロギター編曲のやり方、楽譜アレンジ・編曲のコツやらあれこれ

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【おすすめの習得順】ギターアンサンブル編曲に必要なスキル

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「どんなスキルがあればギターアンサンブルの編曲ができるようになるんだろう?」
「何から手を付ければ効率良く編曲できるのか?」

などとお悩みの方も多いと思います。

この記事では、ギターアンサンブル編曲において必要となる初歩のスキルと、おすすめする習得の順番(優先度順、ですかね)について書いていきたいと思います。

といいますのも、このサイトに辿り着く方の多くがそうだと思いますが、所属するギターアンサンブル団体において
「あー、この曲をギター合奏用に編曲することになってしまった」
といった役回りになり、初めて編曲をされる方は大体この手のことで悩むはずだからです。(私も高校生くらいのとき、ほんと手探り状態でした^^;)

そんなわけで、前提からスキル習得の順番まで、つらつら書いていきたいと思います。
忙しい方は「目次」からご興味のある内容だけご覧ください。
もっと興味のある方は、ギターアンサンブル編曲の実践的なやり方がわかる以下のnoteを見てみていただけると嬉しいです。
【誰でもできる】ギターアンサンブル編曲の手順書

【前提】ギターアンサンブル編曲でやること

…いきなりですが、ぶっちゃけギターアンサンブルの編曲って、そんなに難しいことをやるわけではないと思っています。
※ポップス曲などを小規模アンサンブル向けに編曲する場合、ですが。

というのも、最低限ギターアンサンブル譜を作るために必要となるタスクというのは、以下の通りだからです。
※楽譜作成ソフトの利用を想定してます。

①既存の楽譜(ピアノ譜やバンド譜)を参考にギターアンサンブルのパート構成(メロディ・和音・ベース音、ハモり等)に分解する
②とりあえず①で分解した音を楽譜にそのまま入力する
(1stは終始メロディ、2ndは終始和音、といったイメージ)
③最終的に、②で入れた音を適宜各パート間で入れ替える
(「2ndが伴奏一辺倒」などにならないようにする)

ちなみに②は以下、
https://guitar-en.jp/2019/04/21/jissen-report-1/#i-3
③は以下が参考になると思います
https://guitar-en.jp/2019/04/21/jissen-report-2/#i-5

経験上、上記の流れで大体の曲は攻略可能です。
※もちろん、「パート(フレーズ)そのものや楽曲自体を創作する」というのは難しいですし、楽譜の調達が困難な曲での耳コピも難しいですが。。

以降は上記の流れを前提として、
「このスキルを身につけるといいですよ」
といった形で書いていければと思います。

【概要】ギターアンサンブル編曲に必要なスキルとおすすめ習得順

この章では、ギターアンサンブル編曲で必要なスキルとおすすめ習得順の概要について書いていきたいと思います。

とりあえず勿体つけず、ざっくりこんな感じになります。
・【優先度1】音の役割を見抜くスキル
・【優先度2】最低限のギター演奏スキル
・【優先度3】演奏者・観客の視点で考えるスキル
・【優先度4】楽譜作成ソフトのスキル

文字だけだとわかりづらいと思いますので、「なぜか」というのを図的に示そうと思います。
以下のような感じでそれぞれのスキルが土台になり、「できるようになること」が積み重なった結果ギターアンサンブル編曲が可能になるイメージです。

編曲スキル習得順

では、それぞれのスキルについて詳しく書いていきたいと思います。

【優先度1】音の役割を見抜くスキル

ここでの対象範囲は以下で、まずは曲を聴いたり楽譜を見たときにメロディ・和音などがざっくり分かればクリア、といったイメージです。
編曲スキル習得順②

とはいえ「音の役割を見抜くスキル」については、ぶっちゃけこのサイトに辿り着くような、音楽について自発的に情報収集される方は漏れなくクリアしてるのではないかと思います。
※自信ない方もいらっしゃるかもですが、後述の内容をご覧いただければ「何だそんなもんか」と思っていただけるはずです。

突然ですが、こちらの楽曲のメロディは「分かる」でしょうか。

エルガーの「愛の挨拶」ですね。
「聴き取れる」とか「ドレミが分かる」とかではなく、とりあえず「これがメロディやろ」というのはお分かりになるかと思います。
それが分かればもうクリアです。
「ファッ!?」って感じかと思いますが、そんなもんで十分なんです。

ここで言う「音の役割を見抜くスキル」は、曲を聴いてドレミが聴き取れずとも、メロディ・和音・ベースの輪郭が掴めればOK、というものです。

「輪郭」というのも、実際に編曲するときは多くの場合ピアノ譜やバンド譜など「何らかの楽譜」を調達しますので、その楽譜を見て「この動きをしてるのはメロディ、この音符は和音パートだなー」ということが分かれば十分だからです。
聴いただけでドレミに落とし込めるような音感は、あるに越したことはないですが必須ではないです。(恥ずかしながら私にはないです^^;)

【優先度2】最低限のギター演奏スキル

ここでの対象範囲は以下で、「メロディ・和音などの各フレーズについてギターで実現できるかどうか」が分かればクリアです。
編曲スキル習得順③

実質の土台はこのスキルかと思いますが、これまた正直多くの方がクリアできてるかと思います。
「最低限とか言いながら、どうせめちゃ高いハードルを課してくるんじゃないの」
と不安な方もいらっしゃるかもですが、割と本当に「最低限」レベルで良いからです。

「最低限」の意味合いとしては、以下の判断がつけばOKです。

・実現不可能な和音の判断ができる
各弦の音域や左手の運指を考慮し「この和音は実際には弾けないなあ」といった判断ができる

・音域外の低音、高音の判断ができる
高音については発音できても「こりゃ弾けないでしょ」という運指の判断ができる※13フレット以上の高音が高速で続くフレーズなど

・ギターで弾ける速度の上限が判断できる
簡単に言えば、「極端な高速フレーズなどは音を間引く」など、そうした判断ができるかどうかです。
目安はこちらの記事をご参照。

【楽して「良い演奏」に】ギターアンサンブルの難しいフレーズを簡単にする編曲の裏技・コツ

一言でまとめると「フレーズの実現可否を判断できるか」ということです。
変に達者に弾けても「このくらい皆できるでしょ」などと思ってしまいがちなので、演奏スキルは必要以上に高くない方が、実際に弾く奏者たちの気持ちが理解できて良いかと思います。

【優先度3】演奏者・観客の視点で考えるスキル

ここでの対象範囲は以下の通りで、上記で「実現可能」としたフレーズを演奏者・観客の視点で考え、楽しめるように「音」に落とし込めればクリア、です。(…どうにもいきなり「ふんわり」した内容になりましたね。。。)
編曲スキル習得順④

多くの場合、編曲という作業は1人で行われることと思います。
私もよくよく陥りますが、1人で進めた結果、客観的な視点のない「独りよがりな楽譜」になってしまうこともあります。

「独りよがり」の具体的な例としては以下です。

・奏者にとって弾きづらい、難易度が理不尽に高い
・特定のパートに「おいしいフレーズ」が偏る
・メリハリがなく、観客が聴いてて退屈する

…まあ奏者、観客の観点を忘れない、ということですね。言うは易しですが。。

「じゃあどないすんねん」って話ですが、おすすめの対策としては「編曲が一段落した後、数日置いて楽譜を見てみる」というものがあります。

ガーッと編曲を進めている際は「ハイ」になっているので、どうしても主観が強くなりがちです。
まあそれはそれで良いものになることもあるので一旦OKなのですが、とりあえずその「ハイ」な状態が過ぎ去った頃にもう一度、編曲した楽譜を見直してみましょう。

多くの場合、
「えっ、私の編曲ひどすぎ。。」
って感じるのではないでしょうか笑

「数日前の自分」はもはや他人です。
時間を置いて自身の編曲を振り返ることで、過去の自分とは違った視点で見ることができ、楽譜のブラッシュアップができたりします。

具体的には
「この音はこっちのパートに任せた方が演奏者が楽かな?」
とか
「ここの和音はもう少し音数増やした方が聴いてて楽しいかな?」
といったことがポロポロ見つかり、冷静に自身の編曲をブラッシュアップすることができたりします。
社会人の方はプレゼン資料やレポート作成などでこうした経験があるかもしれません。

参考までに、楽譜作成ソフトには入力した楽譜を再生できるプレイバック機能がありますので、「客観的な視点」はそれである程度カバー可能かと思います。
あとはこちらの記事もご参照いただけますと幸いです。

【優先度4】楽譜作成ソフトのスキル

ここでの対象範囲は以下の通りで、せっかく落とし込んだ「編曲」を実際に演奏するメンバーに弾いてもらうべく、楽譜の形にアウトプットできればOK、となります。
編曲スキル習得順⑤

せっかく編曲をしても、アンサンブルである都合上「自分以外の人が解読できる楽譜」の体を成していなければ演奏できません。

というわけで、楽譜を書き起こすスキルが必要になり、このサイトでは楽譜作成ソフトの利用を推奨しています。
「手書きでもええやろがい」
という意見もあると思いますが、楽譜作成ソフトは書き直しやパート入れ替えの試行錯誤がしやすくレイアウト調整や表記に関わる機能も充実しており、手書きと比較すると「楽に編集が可能」であり、かつ「見やすい楽譜」を作ることに向いているためです。
あとパート譜も一発で作れるので楽ですね。

…おそらく「既に手書きでめちゃ高速で楽譜書けます」という人はともかく、これから楽譜を書き始める方は楽譜作成ソフトの利用を考えた方が効率的かと思います。
※手書き時代は私にもありますが、死ぬ気でスコアを書き終えたあとのパート譜作成は本当に憂鬱でした。。。

「楽譜作成ソフトのスキル」と言っても、それほど高度な取り回しまでは不要で、以下の項目ができれば十分です。

・調、拍子、テンポの指定
「ニ長調(#2つ)の曲なのに調号なし」といった楽譜にしてしまったり、「3拍子の曲なのに4拍子で記譜」といった楽譜を作るわけにはいきません。
楽譜の基本情報として必要です。
※「当たり前でしょ」と思われるかもですが、楽譜の個人販売サイトとかでたまにそういう滅茶苦茶な楽譜が売ってたりするんですよね。。

・音符の入力
これがないと「どのタイミングで何の音を弾くか」がわかりませんので必要です。

・繰り返し記号の入力
まあ正直なくてもコピペしてベタ書きすれば良いので致命的ではないですが、楽譜を書く側も弾く側も「流用」ができた方がハッピーかと思います。

・リハーサルマークの入力
これまた必須ではないですが、あるとないとで練習の効率が変わってきます。
ついでに自身が編曲するときも目印になり、編曲自体のスピードもちょっと速くなります。

・小節線の選択(複縦線、終止線)
調、拍子が変わるときやフレーズの変わり目などは複縦線にしてあげると見やすくなります。

・アーティキュレーションの入力(スタッカートなど)
スラーやスタッカート、ピチカートなどの演奏指示に関わる記号の入力です。

・レイアウトの調整
演奏者にとって見づらい楽譜は好ましくありませんので、音符が大き過ぎず小さ過ぎず、五線の高さや幅がガチャガチャでない楽譜にするために必要です。

・PDF出力
楽譜作成ソフトをお持ちでない方も開けるファイル形式で出力するために必要です。

…とまあつらつら書きましたが、いかがでしょう。
「そりゃ最低限必要だよな」
と感じでいただけるのではないでしょうか。

逆に、上記の項目を見て
「うわ、めんどくせえ、適当にやるか。。」
と思われるような場合、率直に申し上げて自分以外の方に見せるような楽譜はしばらく書かれない方が良いかもしれません。
他人様にお見せするモノを作る以上、楽譜にしろ何にしろ自分なりに最善を尽くすべきで、そうした配慮を感じないモノを見るのは気分の良いことではないからです。

まあ正直私も「めんどいなあ」という気持ちは0ではないですが、せっかく編曲するなら完璧でなくとも他の人が見て好感の持てる、人に見せるための努力が伺える楽譜を書いていただけると嬉しいです。

【まとめ】

ギターアンサンブル編曲で必要なスキルとおすすめ習得順は以下の通りです。
・【優先度1】音の役割を見抜くスキル
・【優先度2】最低限のギター演奏スキル
・【優先度3】演奏者・観客の視点で考えるスキル
・【優先度4】楽譜作成ソフトのスキル

絵的に示すと以下のような感じでそれぞれのスキルが土台になり、「できるようになること」が積み重なった結果ギターアンサンブル編曲が可能になるイメージです。
編曲スキル習得順

最低限、上記のスキルが揃っていれば「ポピュラー曲をピアノ譜などをベースに4重奏」なんてのは比較的楽にできるようになります。
「編曲することになったけど何から始めるんじゃい。。」
というギターアンサンブル編曲初心者の方は、何かの参考にしていただけると嬉しいです。

あとは、上級編として「音楽理論」やら「耳コピ」のスキルもあるに越したことはないですが、そこはまた別の機会に書きたいと思います。

冒頭でも触れましたが、ギターアンサンブル編曲の実践的なやり方にご興味がわいた方は、以下のnoteを見てみていただけると嬉しいです。
【誰でもできる】ギターアンサンブル編曲の手順書

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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