「ギター教室に通ってみたいけど、何を基準に選べばいいかわからない」
「無料レッスンを受けてみたけど、この教室で良いか判断できない」
そんな悩みを持ったギター初心者の方も多いことと思います。
今回はギター歴約20年、ギター他耳コピ等のレッスンを受け、某大手音楽教室での勤務経験もある筆者の目線で、
「こんな基準で選ぶといいですよ」
「こういうレッスンをしてくれるギター教室はおすすめですよ」
といった内容をお話したいと思います。
目次
- 1 ギター教室の選び方・おすすめの判断基準
- 2 【おわりに】最終的には相性や「通いたいと思えるか」を大事に
ギター教室の選び方・おすすめの判断基準
ギター教室の選び方・おすすめの判断基準について書いていきます。
主に「会社員として働きながら」を想定した大人の方向け・ギターの技術的なことがあまり分からない初心者の方でも判断できるような基準でお話させていただきます。
【一番重要】体験レッスンで「先生と相性が合うか」を判断する
最初から少々感覚的なお話になってしまいますが、一番重要なのは
「先生・講師と相性・フィーリングが合うか」
です。
多くのギター教室では、通い始める前に体験レッスンが可能です。
必ず事前に受けてみて、先生・講師がどういった雰囲気で指導をするかを確認しましょう。
先生・講師の方がどんなに優れた演奏技術をお持ちだったり指導力があったとしても、
「言い方が厳しい・キャパ以上の指摘を受けて辛い」
「レッスンに行きたくない・行った後イヤな気持ちになる」
「演奏技術よりも人間関係的な悩みの方が大きい」
なんてことになると、ギターそのものが嫌いになりかねません。
私の場合ですが、ギター教室やその他レッスンを受けた後、ギターの演奏技術的に深く反省したり凹んだことはあれど、先生に対して人間関係的な悩みを抱えたことは一度もありません。
技術的な観点よりも、友人関係などと似たような感覚で判断いただいて大丈夫です。
体験レッスン中の雰囲気や先生・講師とお話してみた印象で、「この先生なら安心して通えそう」と思えるかどうかでご判断ください。
第一印象で少しでも引っ掛かる点があった場合は、他の教室の体験レッスンも受けてみましょう。
先生自身が定期的に演奏活動をしているか
「ギター教室の先生・講師の方自身が、定期的にコンサート・ライブ等を行っているか」を確認すると良いです。
私事で恐縮ですが、以前師事していた方が「教える立場にある者は、教わる者以上に学び続けなければならない」と言っていて、これはけっこう真理だと思っています。
ギターの指導をする立場にある人は、門下生以上に技術を磨き続ける必要があるはずです。
その最たるものは「演奏活動」で、それを定期的に行っているかどうかで、現状どれだけ技術を磨いているかを判断できるかと思います。
例え小規模であっても、定期的に演奏活動をされているか・昨今ではYoutube等で演奏動画をアップされているかなど、どれだけ積極的に演奏技術の発信活動を行っているかをご確認いただくと良いです。
年1回も演奏活動をしていない・各種SNSで演奏動画を上げていないといった場合は、あまりおすすめできないのが正直なところです。
先生・講師の演奏が好みに合うか・技術的に尊敬できるか
前述の「演奏活動をしているか」と関連してきますが、「先生・講師の方の演奏やプレイスタイルが好みに合うか」はとても大事です。
指導を受ける以上、自然と先生のプレイスタイルに似た形で上達していくことになります。
そのため、「こんな風に弾けるようになりたい」「このフレーズ・テクニックは先生が一番上手いと」と心から思えるようだと、レッスン・練習が多少辛くてもモチベーションになってきます。
「マジックにしか見えないことをロジックで何度も再現するのがプロ」と言った方がいたのですが、私の場合、レッスン中に先生の模範演奏を見るたびに「魔法のようだ」「はえー、すっごい」と感服したものでした。
今現在は耳コピの教室に通っているのですが、そこでも先生のスキルや音楽的な知見に毎度恐れおののいています笑
先生・講師の方の演奏や動画・録音などを聴いてみて、「こうなりたい」と思えるか・心から尊敬できる技術をお持ちかどうかを大事にしていただくと良いです。
「弾きたい曲」のレッスンをしてくれるか
先生の勧める曲・課題を中心にレッスンするのは大事ですが、正直それでは飽きてしまうかと思います。
なので、体験レッスンなどで事前に「やりたい曲のレッスンをしてくれるか」を確認できると良いです。
ある程度の技術を持った先生であれば、知らない曲やポップス曲のソロギターアレンジなどであっても、楽譜を読んで最適な運指を導き出したり、演奏スキルに応じて簡単にしたり、逆に音を足してカッコよくしたりと柔軟に対応可能なはずなので、快く応じてくれるかと思います。
課題と「弾きたい曲」のバランスが、許容できる程度かどうかをしっかりチェックしましょう。(私はだいたい半々くらいでした)
【大手教室か個人教室か】レッスン日程・レッスン形式が生活スタイルに合うか
教室のレッスン日程・形式などが、ご自身の生活スタイルに合うかを確認しましょう。
大手音楽教室や都心の音楽スタジオで行っているレッスンだと、大抵は「月〇回・毎週〇曜・月額〇〇円」など固定化されていることが多く、振替等もそれほど融通が利かないことが多いです。
また、グループレッスンの場合はどうしても一人あたりの指導時間は少なくなります。
とはいえ、これは「同じ趣味の方との交流機会」でもあるので、それを重視する方にはアリだと思います。
個人運営のギター教室の場合、「いつでも設定可能・通わない月は料金発生ナシ」など、何かと融通が利くことが多いかと思います。
※とはいえ「月1回以上来てね」といった暗黙の了解だったり。
また、個人レッスンが中心なのでレッスン時間を自分の指導にのみ充てていただけるので、上達は早いかと思います。
こればかりは好みによりますが、大手・個人で以下の傾向があるので、どちらがご自身のライフスタイルに合うかで判断いただくと良いです。
大手教室の特徴・傾向
・アクセス良好
・レッスン環境が綺麗(なことが多い)
・定期的な演奏会などイベントあるケースが多い
※継続率的に重要+大事な収益源なので
・時間は30分など短いことも
・グループレッスンなら交流機会が多い
・割高感は拭えない(どうしてもマージンがあるので)
・人柄的に良い先生が多い(試験・研修があったり個人運営よりもビジネスマナー重視なので)
個人教室の特徴・傾向
・アクセスはまちまち、駅からけっこう歩くこともある
・レッスン環境もまちまち、「自宅の一室」みたいなこともある
・演奏会などイベントも「先生によりけり」
・自由にレッスン日を設定できるケースが多い
・個人レッスンが中心なので交流機会は少なめ
・時間は大手教室と比べてゆとりあるケースが多い
・コスパは良好なことが多い(マージンがないので)
・先生の当たり外れがありがち
【余談】大手教室の先生が個人で教室をやってることもある
これは半ば営業妨害にもなりますが、大手の教室で講師をされている方が、自宅などで個人としても教室をやっているケースもあります。
大手教室傘下で講師をやるよりも、マージンの無い個人教室の方が先生の実入り的には良いので、両方やっている先生は多かったです。
大手教室で体験レッスンを受けてみて「この先生良さそうだな」と思っても、どうしてもレッスン日程が合わない場合は、個人で教室をやっていないか調べていただくと良いかと思います。
※「大手教室内の現地で面と向かって確認」というのは先生・教室サイドとしても困るので、「一旦帰った後に調べて別途ご連絡」など、大人のマナーで・自己責任でご対応いただけますと幸いです。
大手教室的には「それマジでやめてくれ」といったやり方なので、大っぴらにおすすめはできないですが、手段を選ばなければアリだと思います。
もちろん、アクセスなりレッスン環境は大手教室の方が良いことが多いので、その辺り含めてご判断いただければと思います。
レッスン時の楽器レンタルはあるか
レッスンの際、備品としてギターを借りられるかどうかも把握しておくと良いです。
もちろん弾きなれた自分のギターを使ってレッスンを受ける方が良いのですが、「仕事帰り」や「休日、移動の合間に」といった場合、ギターを持って行くのが難しい場合もあります。
そんな時、教室のギターを借りられると非常に楽です。
私自身も、雨の日や前後に用事がある時などは、教室のギターをよく借りていたものでした。
レンタルの際に料金が発生するかどうかも、念のため確認しておきましょう。
無料だとベストですが、数百円までは許容範囲だと思います。
レッスン料金が妥当か
レッスン料金が一般的な範囲かどうかも、大事な判断基準になってきます。
個人的には、「通いたい」と思える先生なら糸目をつけない方が良いと思いますが、とはいえ相場的には以下が目安になってくるかと思います。
・グループレッスン
月3回・1回60分で月額1万円前後
・個人レッスン
月2回・1回60分で月額1.5万円前後
※先生によって大幅に異なる
私自身はIT業界の仕事をしているのですが、エンジニアを1日拘束しようとすると大体4万円~が相場になっています。(もちろん人・スキルにはよりますが)
時間換算では5,000円~/1hなので、その1.5倍くらいあっても「1時間の切り売りならまあ妥当かな」と感じています。
ちなみに著名なギター奏者のマスタークラスだと数十分で1万円以上になることもありますが、正直それでも「思ったより良心的だな」といった印象です。
もちろん「ご自身が納得して払える金額かどうか」が一番大事なので、上記の相場感を目安に納得できるかどうかでご判断いただくと良いかと思います。
個人レッスン・グループレッスンどちらも対応可能か
私の場合はもっぱら個人レッスン希望でしたが、人によっては「1対1だと緊張する」とか「技術を習得しながら、同じ趣味の仲間を増やしたい」といったニーズもあるかと思います。
上達を重視するなら個人レッスン・同じ趣味の方との交流機会が大事ならグループレッスンなど、好みによって判断いただくと良いかと思います。
個人レッスン中心の教室でも、発表会などのイベントで他の門下の方と仲良くなることも十分可能なので、そのあたりは両立できることもあります。
発表会などのイベントが定期的にあるか・参加率はどれくらいか
「門下生による発表会などのイベントが定期的にあるか」もご確認いただくと良いです。
大抵の教室では年1~2回程度、そうした機会があるケースが多いです。
発表の機会がないと、どうしてもモチベーションの維持ができなかったり「いつまでにこれを弾くぞ」という目標設定もしづらいので、あった方が良いかと思います。
参加は基本任意なはずですが、参加率がどれくらいかも事前に確認できると良いです。
参加率が高すぎる場合は「半ば強制」といった具合で、あまり好ましくないかと思います。
低い分にはそれほど問題ないかと思いますが、10~20名くらいであれば丁度良い規模感で楽しめるかと思います。
こうしたイベントがあると他の門下生の方と交流でき、「もっとギター頑張って練習しよう」といったモチベーション維持に繋がります。
また、教室にもよりますが発表会以外のイベントをやっている教室もあったりします。
私の通っていたギター教室では不定期で「合宿」なんかもやっていました。
海沿いでちょっと広めの練習室付の合宿所で、一同ギターを持ち寄って練習したり晩酌したり、といったイベントでした。
練習室では先生が見て回ってくれていたりと、けっこう真面目に練習する時間も確保できていました
クラシックギターの教室だったこともあり、当時学生だった私にとっては親・祖父母くらいも歳の離れた同門の方々との交流はけっこう新鮮で、「働きながらちゃんと練習する時間を確保できるの凄いなあ、自分はヒマだしもっと頑張らねば」などと感じたものでした。
今振り返っても、ギター教室での各種イベントは「楽しかった」「良い経験をさせてもらった」と思っています。
もちろん任意・強制感も全くないことが前提ですが、定期的な催しがあるかどうかも、把握しておくと良いかと思います。
楽器・ギター関連商品の押し売りがないか
先生・講師が楽器店からマージンをもらって、門下生に楽器やギター関連用品の購入を勧めるケースがあります。
まあ、ビジネスとしては全く間違ってない立ち回りなのですが「露骨な押し売り」を感じるレベルの場合、そのギター教室はNGです。
「良い楽器を買うのが必須」みたいなことを言われたら、「ほんとにそうか?」と一旦踏みとどまって考えましょう。
「教材・楽譜を買うのが必須」といったケースもありますが、「練習曲集」など真っ当な理由がある教材であれば、許容範囲だと思います。
「先生自身の出版物」などの場合はあまり印象良くないですが、2,000円程度であれば必要経費と考えても良いかと思います。
ちなみに、「門下生から相談があった場合のみ、先生同行の上でギターを一緒に選ぶ」といったことをやっている教室もあったります。
そうした場合は、
・紹介先が安心できる規模の楽器店か(妙な個人経営店でないか)
・恣意的な誘導・押し売りがないか
・あくまで予算内で検討してくれるか
・先生自身に料金を払う必要があるか
このあたりで判断すると良いです。
いざ行く前に「どうしても買う気になれなくてもOKか」あたりも聞いておきましょう。
まあ、裏で楽器店からマージンもらってるのかもしれませんが、ここまでやってくれるようなら「アリ」と言って良いかと思います。
先生自身に料金を払うにしても、ご自身が納得できる範囲であればよろしいかと思います。
【おわりに】最終的には相性や「通いたいと思えるか」を大事に
ギター教室の選び方について、生徒として通ったり音楽教室勤務の経験も踏まえて書かせていただきました。
冒頭でも書かせていただきましたが、やはり「相性」が最も重要だと思います。
その上で、ご紹介しました観点もご確認いただき、最終的に「通いたいと思えるかどうか」を大事にしてください。
経験則ですが、独学の時期に比べ、ギター教室に通っている時期が上達速度が上がりましたし、それ以上に先生・他の門下生の方々との交流は本当に有難い経験になりました。
自分語りが多くて大変恐縮なのですが、それくらい私の人生にとって良い影響があった・どれだけ感謝しても足りないくらいの経験をさせてもらえたと感じています。
まずは「合いそう」と思ったギター教室に通ってみて、いざダメなら次の教室を選んでみるのもアリです。いくつか通ってみることで見えてくるものもあるかと思います。
この記事が、ギター教室を選ぶ際の参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。