「ただ生活しているだけでギターアンサンブル編曲の能力が高まればいいのに。。」
とか
「聴き流すだけで耳や感性が良くなる魔法のツールはないものか。。」
とお考えのあなた。
声を大にして答えましょう、
「その気持ち、めっちゃわかる」
と。
「同意なんか求めてねー。さっさと言えや。」
ですって?返す言葉もない正論です。
まあぶっちゃけ「そうそう都合のいいものはない」と思いますが、それでも「こんな習慣づけをしておくと、じわじわと編曲スキル(というか感性?)が伸びていくかも」という、経験則みたいなものはありますので、その辺を書いていきたいと思います。
アプローチとしては、以下になります。
1.対象の曲について理解を深める(短期的アプローチ)
2.アンテナを張り続ける(中長期的アプローチ)
では、細かい内容に触れていきます。
忙しい方は「目次」からご興味のある内容だけご覧ください。
もっと興味のある方は、ギターアンサンブル編曲の実践的なやり方がわかる以下のnoteを見てみていただけると嬉しいです。
【誰でもできる】ギターアンサンブル編曲の手順書
目次
対象の曲について理解を深める(短期的アプローチ)
「この曲の編曲をしよう」と思ったら、多くの方がこのようなアプローチを取るものと思います。
そのため、「なんだ、当たり前じゃないか」と思われる方も多いのではないかと思いますが、それでも王道的な考え方になるはずですので、敢えてご紹介させていただきます。
以下、2つの方法でその曲の理解を深めると良いと思います。
編曲しようと思った曲をとにかく聴く
「この曲やろう」と思ったり、その曲を編曲することが決まったら、その曲をとにかく聴き込むことをお勧めします。
曲の全容を把握することで、いざ編曲を行う際にスムーズに進めることができたり、「ここはこんな構成でやったら面白そうだなー」といったイメージを膨らませることができるからです。
では、「どの程度『とにかく聴く』の?」というところですが、個人的には「移動中に音楽を聴く際、一曲リピート状態で聴き続ける」としています。
家にいる時などにも四六時中聴くのは流石にストレスに感じるからです。
もちろん「とにかく一日中聴き続ける」ということができる方は、それでも良いと思いますが、嫌気が差しては元も子もないので、ご無理のない範囲で実践いただければと思います。
「いつまでそうすべきか」というところですが、概ね「その曲の構成が頭に入るまで」で良いと思います。
具体的には、各フレーズの構成をおおよそイメージできるようになれば大丈夫です。
「イントロは弦のメロディとアコギのアルペジオ、サビは裏打ちの和音に、弦が後ろで鳴ってて、それぞれギターアンサンブルでやるなら音の配分はこんな感じかなー」というイメージが、ぼんやりでも頭に入っていると、いざ編曲作業を始めた際の効率が変わってきます。
対象曲の「違うバージョン」を探す
有名曲で、原曲リリースからしばらく経っている場合、作曲者自身がリアレンジ(セルフカバー)していたりして、いくつもバージョンがあったりします。
往々にして、そうしたバージョンにはクールなフレーズが追加されていたり、そもそも「こっちベースにした方がカッコよくね?」というケースが多いものです。
(ギター合奏界隈で人気の高い久石譲氏や葉加瀬太郎氏の曲は、そんなケースが多い印象です)
そうした場合、そのクールなフレーズを拝借したり、状況によってはそのバージョンをベースに編曲することで、より良い演奏にすることもできるはずです。
「異なるバージョンを聴き比べ、適宜必要そうなフレーズを補完する」といったアレンジを意識できると良いと思います。
もちろん多くのフレーズを拝借した結果、とっ散らかっては本末転倒ですので、あくまでフレーズの拝借は「ここぞという場面でスポット的に行う」くらいに留めておきましょう。
あまりに多くのフレーズを拝借することになる場合は、上記のように思い切ってその別バージョンをベースにして編曲し直してしまった方が良いです。
アンテナを張り続ける(中長期的アプローチ)
こちらの方法は、即効性はないですが、習慣付けることで徐々に、じわじわと音楽的な感性が伸びていって、5年後10年後には大きな差となっているであろうアプローチです。
「巨人の星」の一徹よろしく「日常の一挙手一投足が訓練になっていれば、自ずと人並み外れた筋力がつく」という構想に似てなくもないですが、「大リーグボール養成ギプス」のような無理ゲーではないですので、その点はご安心いただけると嬉しいです。
街中で気になった曲を「逃がさない」
飲食店にいる時や買い物をしているとき、ふとBGMに耳を傾け、
「なんだこのイカした曲は。。?」
と思った経験はありませんか?私はけっこうあります。
私見ですが、そんなときは「音楽的な感性が育つチャンス」だと思っていて、その曲について調べて即買います。
「知らない曲をどうやって調べるんじゃ?」
とお思いの方もいらっしゃることでしょう。
世の中便利になったもので、BGMの音を拾って曲名を調べることができるスマホアプリがあります。
私が使っているのはこの「SOUND HOUND」というアプリです。
App Storeリンク
使い方は非常に簡単で、起動直後から
↑こんな感じでマーク部分をタップして、
↑この画面でBGMを聴かせてあげて
↑しばらく経つとこのように曲名が表示されます。
あとは煮るなり焼くなり自由にできますね。
↑これは検索履歴画面です。不意にアプリが落ちても、ちゃんと覚えててくれるので安心です。
※曲によってはこの画面からiTunes Storeまでリンク可能です。
ちなみに、今回の例では、以下の動画をノートPCで再生して聴かせた結果です。めちゃかっこいい。
※そんなに高音質な再生機器を用いなくとも、かつ多少アレンジされた音源でも正確に聴きとれるわけです。
…しかし「HOUND=猟犬」ですから、BGMを逃がさず調べられるこのアプリのネーミングは言い得て妙ですね。
(変な音が出たりせず、スピーカーに近づけなくても割と音を拾ってくれるので、変質者っぽくならないで済むのもありがたい部分です。)
「その時気になる曲」というのは、何かしか自分に刺さった理由があるわけで、「その時自分に足りてない何か」を得るためのヒントが隠されているものだと思います。
その曲を聴き込んで「自分的にこの辺が刺さったんだなー」と分析することで、ギターアンサンブル編曲能力向上や、アレンジの引き出しが増えると思いますよ。
この類のアプリを使って、「気になった曲を逃がさない」習慣ができると、日常生活の中で無理なく編曲スキルを高めることができるはずです。
思いついた構成やイメージをメモする
「こうするとカッコよくね?」とか、「このフレーズはパートの割り振りこうした方が楽そうだな」と思ったら、それをメモしておくと良いです。
編曲に取り組んでいる時というのは、何かと四六時中その曲のことを考えがちだと思います。
その中で上記のような閃きというか思いつきをすることもあると思います。
が、いざ編曲作業に取り掛かった際に
「あれ、なんだったっけなあ。。」
と、すっかり忘れてしまっていることも。(私はそんな経験が割とあります)
そんな悲しい思いをしないよう、思いついたアイデアはメモしておくと良いです。
そんなに難しい内容でなく、スマホなどにテキストで「Bメロ、メロディをオクターブに」とか、「サビ、和音ストローク弾きで」など、最低限自分がわかるようにしておけば大丈夫です。
上記の「とにかく聴く」と合わせ技で行い、各フレーズの構成をぼんやりとでも固めておくと、比較的楽に編曲することができると思います。
まとめ
ギターアンサンブル編曲能力を高めるための習慣は、以下の短期的アプローチ・中長期的アプローチの2段構えで身につける。
短期的なアプローチとして、「対象の曲について理解を深める」
具体的には以下。
・編曲しようと思った曲をとにかく聴き、構成を頭に入れる
・対象曲の「違うバージョン」を探し、違った視点・フレーズに触れる
中長期的なアプローチとして、「アンテナを張り続ける」
具体的には以下。
・街中で気になった曲を逃がさず調べ、「何が刺さったか」分析する
・思いついた構成やイメージをメモし、細かい蓄積を欠かさない
冒頭でも触れましたが、ギターアンサンブル編曲の実践的なやり方にご興味がわいた方は、以下のnoteを見てみていただけると嬉しいです。
【誰でもできる】ギターアンサンブル編曲の手順書
ここまで読んでいただきありがとうございました。