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JASRAC楽曲利用申請 サブ出版社への申請

【JASRAC(ジャスラック)管理楽曲の利用申請方法】サブ出版者への利用申請手順・やり方

更新日:

普段とは少々毛色の異なる話になりますが、この記事では、日本音楽著作権協会、いわゆるJASRAC(ジャスラック)が管理する楽曲において、JASRACの他にサブ出版者が楽曲の権利を有している場合の、利用申請の方法・手順について記載します。

「クラシックギター合奏編曲に関するサイトだろここは。毛色違いすぎねえ?」

って言われそうですが、ググっても公式以外の情報が載ってなかったので、この際良い機会だと思ってまとめてみました。

前書き

このサイトからもリンクを飛ばしていますが、当方は作成した楽譜を、「Piascore」という楽譜販売サイトで売っております。

「Piascore」は著作権管理団体であるJASRAC(ジャスラック)と包括契約をしており、小難しい申請などを個人で行うことなく、編曲した合奏譜を気軽に販売することができます。(便利な時代になったものだ。。。)

とはいえ、扱う楽曲についてはJASRACの管理する作品検索データベース「J-WID(ジェイ・ウィッド)」にて作品コードを調べ、「こういう楽曲を扱います。作品コードはこれらです。」という簡単なリストを作成する必要があります。

【「J-WID(ジェイ・ウィッド)」リンク】
http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/

しかしながら、一部の外国楽曲についてはJASRACの他にも権利を有している企業がいらっしゃって、その場合は所定の手続を行う必要があります。

…例によって、割とギター合奏で定番の曲がそうだったりするわけです。

案の定、当方が扱う合奏譜でもドンピシャな楽曲があったので、申請を行ってみたという次第です。

【前提】該当楽曲の調べ方

まずは、「扱う楽曲が、そもそも対象かどうか」を調べる必要がありますね。

一言、「J-WID(ジェイ・ウィッド)」で対象楽曲を調べる
ということに尽きます。

少し上でも書きましたが、こちらのリンクです。

【「J-WID(ジェイ・ウィッド)」リンク】
http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/

対象楽曲の「サブ出版」に特定の企業名があった場合、その企業に対して「楽曲を使わせてください」と申請を行う必要がある、というわけです。



ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス社の場合

上記「作品検索データベース」にて、「サブ出版」として「ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス」の記載があった場合の申請方法について書いていきます。

【手順1.】申請書のダウンロード

ヤマハミュージックエンタテインメントのWebサイトにて、楽曲利用の申請書をダウンロードします。
http://www.yamaha-meh.co.jp/business/tune/user_guide.html

出版物
↑「出版物」を選択

カテゴリ選択
↑「中島みゆきの曲か」とか「ディズニーの曲か」とかカテゴリが色々あるので、適した申請書をダウンロードします。
※今回の場合、「【洋楽曲(2)】上記(1)ディズニー楽曲以外の曲の場合」でした。

【手順2.】申請書の記入

取得した申請書に記入していきます。

※「FAXか郵送で送付」という決まり上、手書きで記載する形にしました。

手書きで込み入った書類を書くことなど毎年の年末調整くらいなわけで、ひどく緊張しました。

ちなみに、内容自体はそんなに難しいものではなく、「JASRAC作品コード」以外は特段記入に悩むこともないかと思います。

記入サンプル

こんな感じで書きました。(ボールペン習字でもやっとけば良かった。。)

赤枠部分がJASRAC関連の情報で、上記の「作品検索データベース」で調べたものを記入します。

発行部数は、ダウンロード販売なので「―」としました。

なお、カットしてますが上部に自身の連絡先諸々を書く欄がありますので、そこもしっかり記入します。

【手順3.】申請書の送付

FAXもしくは郵送で、申請書を送付します。※当方はFAXで送付。

あとは寝て待つ。( ˘ω˘)スヤァ

【手順4.】申請結果の返送

送付からややしばらく経つと、申請結果が返送されてきます。

今回は約1週間でしたが、モノによってまちまちなようです。


↑結果が書かれた申請書と


「許可するけど、ここの記載を必ず入れてね」という紙が入ってました。

上記のコピーライト表示を入れることで、晴れて楽曲を利用してよい、というわけですね。



シンコーミュージックパブリッシャーズ(フジパシフィックミュージック)の場合

上記「作品検索データベース」にて、「サブ出版」として「シンコーミュージックパブリッシャーズ」の記載があった場合の申請方法について書いていきます。

…先のヤマハさんと比較すると、ちょっと迷子になりました。。

…まず、
窓口がどこか謎
という状況でした^^;

ので、対象楽曲の作品コードのメモを片手にシンコーミュージックパブリッシャーズさんにTEL。。。

「あ、あのぅっ、外国楽曲の利用申請方法について聞きたいんですけどっ」
(…不慣れな用件の電話はいくつになってもぎこちないものである)

すると、手慣れた様子で
「あー、フジパシフィックミュージックのWebサイトからダウンロードしていただくようですねー」
と即答いただく。

どうにもシンコーミュージックパブリッシャーズ社はフジパシフィックミュージック社内にあるようで、以下から取得するのが正しい道筋だったみたいだ。

対応してくれたお姉さん、ありがとう。
http://www.fujipacific.co.jp/application/

TOP入口
↑参考までに、TOPページから正面突破でアクセスする場合はこの「APPLICATION」というリンクから潜ります。

【手順1.】申請書のダウンロード

というわけで、軌道に乗ってしまえばこっちのもの。

楽譜用
↑「外国曲」の「楽譜に利用」を押下。

ダウンロードボタン
↑ここのボタンから申請書をダウンロードします。

【手順2.】申請書の記入

取得した申請書に記入していきます。

幸いにして、こちらのフォーマットはWord形式だったので、
「間違えたらどうしよう。。。」
という手書き特有の恐怖もなくサクサク進めることができました。

こちらのパターンも同様に、「JASRAC作品コード」以外は特段記入に悩むこともないかと思います。

記入例
こんな感じで書きました。

赤枠部分がJASRAC関連の情報で、上記の「作品検索データベース」で調べたものを記入します。

青枠部分「企画内容」には
「企画もへったくれもないよ?」
と一瞬面喰らいましたが、まあさらさらと書いて問題ないみたいでした。

こちらもカットしてますが上部に自身の連絡先諸々を書く欄がありますので、そこもしっかり記入します。

【手順3.】申請書の送付

ヤマハさんと異なり、こちらはメール添付で送付することができます。

上記記入例で黒塗りされてる箇所に書いてあるアドレス宛に、
「申請しますよー」
という内容でメールを発射。

あとは寝て待つ。( ˘ω˘)スヤァ

【手順4.】申請結果の返送

送付からややしばらく経つと、申請結果が返送されてきます。

今回は約1週間と迅速でしたが、TELで聞いた雰囲気では
「2~3週間見ておくとだいぶ余裕」
とのことでした。
※もちろん、モノによりけりなのだと思います。

承諾書
↑利用条件が書かれた承諾書が1枚でした。

入口は少々難しかったですが、申請書がWord形式だったり、メール送付可能だったりと、シンコーミュージックパブリッシャーズさんの方が「後半は楽」だった印象です。

正直、若干の手間ではありますが、申請をせずに使っては一撃でアウトなので文句は言えませんね。

諸事情あってサブ出版者への申請を行う方の参考となれば嬉しいところではございますが、この記事で記載したやり方はあくまでご参考としていただき、JASRAC(ジャスラック)サイトおよび、各社ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスさんのサイトをご確認の上で手続いただけますと幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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