第1部に引き続き、本ブログ読者の方からいただいたご質問への回答を書いていきたいと思います。
こちらの内容も、おそらくギターアンサンブルを嗜まれる方にとって共通の悩みという印象ですので、練習や編曲の際のご参考になりますと幸いです。
目次
【質問】パート内習熟度のバラつき、欠席者フォローが難しい
サークル人数が少ないため、パート人数も少なく、なかなか人が集まらないのでパート練習がなかなかできません。いざ集まってもパート内で習熟度が異なったり弾き方が違ったり…でなかなか合奏に移れなかったりします。
これは練習参加率のお話、ですかね^^;
(まあ学生さんなら色々忙しいでしょうから、サークル皆勤は難しいですよね)
私も学生時代にはギターアンサンブルサークルをやってて、似たようなことで困ったりもしました。
その時に行った対策で「これはいいかも」というものがあるので、参考になればと思います。
【回答】「楽譜バージョン管理」と「欠席者フォロー」による対策
まずはパート内の習熟度が必要以上にバラつかないよう、「楽譜のバージョン管理」と「欠席者へのフォロー」を意識すると良いと思います。
簡単に言えばこんな感じですかね。パートリーダーの人がちゃんと意識しておくと良いです。
・変更が生じた箇所はちゃんとメモっておく
・練習を欠席した人にそれをちゃんと伝えておく
・練習が遅れがちな人には時々でいいので「古い楽譜」のままでないか確認してあげる
大変だったら、パート練習の初めに数分で「前回のあらすじ」みたいな感じで変更箇所のおさらいをする等でもいいと思います。
【回答】運指統一による練習効率化・フォロー簡易化
また、「弾き方が違う」ことの対策としては、上記の楽譜管理とも関連しますが、パート内での運指統一を徹底してあげると良いです。オーケストラのバイオリンがみんな同じ動きをしているアレです。
運指を(明確に)統一しておくと、練習の際はそれを「なぞる」形になるので効率が良くなりますし、自主練習の際も「あれ、どう弾くんだっけ」と迷子になることが減ります。
また、パートリーダーが一目見て「そこ弾き方違うよ」といったフォローをしやすくなるため、練習で取り残される人が出るのを防ぎやすくなります。
経験上ですが、時々「その弾き方じゃ多分プロでも難しいと思うよ?」みたいな運指を開発してしまう方もいたので、明示的に運指を統一し、そうした不幸が起きないようにしてあげると良いかと思います。
以下サイトの「13.ギター譜の特徴」の譜例に書いてあるように、各音符で使う指を楽譜に書き込んでおき、それをしっかりと管理・周知するのがベターです。
出典:シグマ塾講座2
http://www.sigumaguitar.com/sub14main2.htm
【質問】パート練習中に指揮者は何をするのがよいか
パート練習中、指揮者は何をするのが効果的でしょうか?自分の練習に当てることが多いですが、指揮者として何か出来るのであればしたいです。
【回答】各パートを回って合奏練習の時間でフォローしきれない部分を見る
サークルの慣例などもあるかと思いますが、私が学生時代にやっていたサークルではパート練習の時間に指揮者は各パートを回って、合奏時間だけではフォローしきれない箇所を見る、という建前で巡回監視をしていました。
そうでもしないとサボったり、抜け出したりする輩が絶えなかったからです。
合宿においては指揮者が練習部屋を覗くと1パート丸々寝ていた、ということもありました。
まあ冗談(サボり抜け出し全員寝てたは本当ですが)はさておき、「各パートを回って合奏練習の時間だけではフォローしきれない箇所を見る」というのは悪くないかと思います。
特に、「合奏中は指揮に精一杯」というのであれば、パート練習の時間にちょっとお邪魔して、パート単体の演奏レベルを把握しておくのは有効かもしれません。
※「合奏のときだけ弾けない」のか「そもそもパート単体で弾けてない」のかも分かります。
もちろん自分の練習時間はその分減ってしまうので大変ですが、「代わりがいない指揮者の役割に注力する」というのが指揮者として出来ることかと思います。
【質問】クラシック曲を編曲するときのコツ
編曲ではクラシック系を担当しているのですが、原曲を崩さずに省略したり簡単にしたりする作業でいつも悩みます。
仰るようにクラシック系の楽曲では「原曲を崩さない」ことが求められるので、省略などには気を遣うべきだと思います。
可能であればむやみやたらに省略をすべきではないですが、気をつけるべきポイントは、パート毎に言うなら以下でしょうか。
メロディ
・極力単音にする
※ピアノ譜など元の楽譜で表記上和音(ハモリ)になっていた場合、省いた音は他のパートに割り振る
・「16分のフレーズを8分に」など、リズムに関わる省略は印象を大きく変えるため極力控える
和音
・前後の小節(音)含めて印象的な動きを形成する音(=目立つ動きの音)は省略しない
・和音内や他パートとオクターブで重なっている音は、上記に該当しない場合は省いても大丈夫な場合が多い
※この辺の記事が参考になるかもしれません。
ベース音
・基本的に「最低音」となるよう留意する
※編曲の過程で「和音パートの構成音がベース音よりも低くなってしまった」などの状況は避ける
…つらつらと書きましたが、どうしても難しいフレーズは省略しても仕方ないですし、それを聴いた感じで「特に問題ないな」という印象であれば省略しても良いかと思います。
※プロの作編曲家も「禁則事項を破っても、聴いて気持ち悪くなければOK」とする人はいます。
なので、「みんなで無理なく楽しく弾けること」を念頭に置いて編曲していただくのがベストだと思います。
【第2部】おわりに
第1部に引き続き、どちらかと言うと「ギターアンサンブルサークルにおける練習のコツ」要素が強かったですが、やはり共通の悩みを持つ方は多いのではないかと思います。
同じくギターアンサンブルサークルでお悩みの方の参考になれば幸いです。
色々と試行錯誤するのも楽ではないと思いますが、音楽関連で積んだ経験というのは必ず今後の人生で役立ってくると思います。
※私も振り返ってみれば今の仕事のご縁のきっかけは学生時代の音楽活動でした。
とにかくまあ良い音楽経験を重ねて、素敵な人生を送っていただければと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
※ブログ読者の方で「こういうの気になってる」などあれば、コメント欄などでお寄せください。
いきなり公開されることはないですので、その点はご安心ください。(公開可否も添えておいていただけると幸いです、)