ギターを初めてみたけどなかなか続かない
ギターの最適な練習方法とはどんなものだろうか
こんな悩みを抱えたギタリストも少なくないことと思います。
このブログを書いている私もギター歴15年くらいで、こうした悩みがないわけではないのですが、周りを見ているとこの手のことに悩む方、挫折してしまう方の多くは「頭の良い人」だと感じています。
そうした「頭の良い人」がギターについて悩みを抱えがちな理由についてまとめてみました。
何かのご参考になれば幸いです。
目次
【結論とヒント】馬鹿の行動量に勝るものなし
敢えて「馬鹿」という悪い表現を使いますが、これは完全に若き日の私がそうで、今でも本質的には相当頭悪い方だと思っています。
そんな私の昔話を少し紹介させていただきます。
私は高校でギター合奏部に入ってクラシックギターを始めたのですが、周りにはギター経験者や「ピアノやってました」みたいのが多く、音楽未経験者は少ない状況でした。
「自分は周りと比べて遅れてる。これは頑張らねば。」
そう思って部活中はもちろん、家でも暇さえあればギターの練習に明け暮れていました。
単純に楽しかったからでもありますが、「圧倒的に遅れている」という強迫観念のようなものもあったからでした。
1年ほど経った頃、同期から「お前この1年でだいぶ上手くなったな。すっかり追い抜かれちゃったよ。」と言われました。
それはまあシンプルに嬉しかったですが、そんな認識もなかった私はこのように返しました。
「そりゃみんなより遅れてると思ってたから。この1年は学校でも家でもギター弾いてた記憶しかないし、追い抜いたとも思ってないぞ。」
すると
「多分そこまでやってるのお前だけだぞ」
と返ってきました。
ピアノ経験者で普通にギターも上手い同期の女子も「家でなんか弾かないよ?」と。
「嘘だろ?」と思いました。
「それで何でこいつらこんな弾けるんだよ、天才か?」って思ったのを覚えています。
当時私は周りが全く見えていなくて「自分は遅れてる」と思い込んで練習に明け暮れた結果、1年後にはけっこう弾けるようになっていたわけで、おそらく頭が良くて周りがちゃんと見えていたら「普通はこのくらい弾くものか」と周りに合わせたペースでしか練習しておらず、そんなに伸びなかっただろうと思います。
その後どうなったかというと、
「そこまでやってこの程度ってことは、手を抜いたらダメなんだ」
と思って、より練習に打ち込むようになりました。
どこまでも周りが見えていない馬鹿だったと思いますが、周りが正確に見えるくらいの頭があったら、そこまで打ち込めてなかったので、かえってそれで良かったなと思っています。
以降の内容でも触れますが、頭の良い人がギターで挫折しないためには、
・今一度「馬鹿に立ち返って」行動量を増やす
・頭の良さを活かして徹底的に仕組み化する
といった形で、取り組んでいただくのが良いかと思います。
頭の良い人がギターで挫折する理由
周りが見えてしまっている
頭の良い人は、周りがしっかり見えています。
そのため、「初心者はこの程度練習すれば良い」とか「周りの人はこれくらい練習している」といった情報を手に入れてしまい、その結果突き抜けた練習量を積み重ねることができず、そこそこ練習して「今日はここまで」と切り上げてしまいがちです。
反面、あまり周囲の見えていない人は情報収集能力が乏しいため、周りと比較せずに自分が納得いくまで時間をギターに投下します。
良くも悪くも自分の尺度で物事を判断するので、周囲が見えている頭の良い人よりも成長が早かったりします。
ギター以外のことに時間を奪われがち
頭の良い人は学生なら学業、社会人なら仕事に時間を割いてしまいがちで、圧倒的な時間をギターに注ぐことがしづらいケースが多いです。
引く手数多というわけですね。
反面、頭の良くない人は引く手数多なんてことは少ないです。。
私事で恐縮ですが、ついでに陰キャだった私は高校大学では友人も少なく、ほぼ全ての余暇時間をギターに充てることができました。
「それでお前は良かったのか?」
と問われると正直よく分かりませんが、結果それなりにギターの練習はできた点は良かったと感じています。
最適解を求めるあまり動き出せない
頭の良い人は情報収集力が高いため、最適解を求めるべく情報収集に時間を割きがちです。
また、自己解決能力も高いため、独学で進めがちな傾向もあります。
もちろんそれ自体は素晴らしいことだと思います。
頭がそうでもない人は独学でも我武者羅に時間を投下して練習したり、「自力じゃダメだ」と早々に判断してギター教室に通ったりすることで、結果として頭の良い人よりも早く成長する傾向がありました。
「自分は頭の良くないから」と自覚しているからこその行動量であったり、早々に先人からの指導を仰ぐというのは、正しい進め方だと感じます。
ギター以外にも長所・柱がある
頭の良い人は、ギター以外にも誇れるものがあることが多いです。
学問に秀でているとか、仕事で活躍しているといった具合です。
頭がそうでもなくてギターを続けている人が比較的持つ傾向としては「自分にはギターしかない」というものがあります。私も割とそうです。
この「自分にはこれしか」という思い、というか思い込みは、それがある人とない人では日々の、最後の踏ん張りで大きな違いが出てくるもので、「毎日ちゃんと練習するか」「今日はいいや、とサボるか」の分水嶺になったりもします。(私は全然サボりますが)
中年になっても続けている人の多くは「これしかないからねー」と明るく言うのが印象的です。
【対策案】頭の良い人がギターで挫折しないために
この記事に辿り着くくらい情報収集力のある方は、幸か不幸か「頭の良い人」だと思います。
そんな、既に頭の良い人はどうすればよりギターに打ち込めるようになるか、いくつか案をご紹介します。
【対策①】意識を変える
あなたはおそらく頭の良い人ですが、これから先の人生においては今日が一番若い日かつ、一番頭の悪い日のはずです。
頭の良さは基本的には成長するのみなので、これから歳を重ねていく中では今この瞬間が「最も馬鹿である」はずです。
要は、「これから先はより頭が良くなり、どんどん行動量を投下しづらくなる」とも考えられます。
ちょっと追い立てられるような感もするかもしれませんが、「今この瞬間が最も若く、行動しやすい」と考えると、少しだけ前向きな気持ちになりませんか?
「根性論かよ!」という方向けには後述の内容をご覧いただきたいです。
【対策②】仕組み化する
前述の内容はメンタル的な話なので、刺さらない方には全く刺さらないかと思いますが、こっちは割と実践的です。
頭の良さをフルに活用いただいて、「仕組み化」してみましょう。
オバマ元大統領やAppleのスティーブ・ジョブズが着る服を固定していた、みたいな考え方ですね。
例えばですが、以下のような取り組みで練習自体を効率化する、といったイメージです。
・行動トリガーを決める
・「一秒触る」を目指す
・ギターは出しっぱなしにする(ワンモーションで手に取れるようにする)
・移動時間に「運指のイメトレ」をする
詳しい内容はこれ一本で記事が書けるくらい、というか書いていますので、よかったらご覧ください。
おわりに
頭の良い人がギターで挫折しやすい理由と、対策についてまとめさせていただきました。
周囲が見えてしまうが故に、見えていない人の「選択と集中」に負けてしまう、というのは皮肉なものだなと感じますが、持ち前の頭脳を活かして圧倒的な時間効率で対抗するのが、頭の良い人達の戦い方かと思います。(勝手な願望ですが、そうであってほしいと思います。)
この記事の内容が、ギターで困っていた頭の良い人の何らかの助けになれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。