編曲を始めるにあたっての準備はできた。けど、何から手を付ければいいの。。?
 という方に向けて、具体的な編曲方法をつらつら書いていきたいと思います。
 今一度「準備ってなんだっけ。。」という方はこちらのご確認を。
 【ギター合奏譜を作ろう】編曲しようと思った人が用意すべき3つのモノ
「初めての編曲」という段階では、以下の3ステップで考えるとやりやすいかと思います。
最高音、最低音の確認
「ん?この音ギターで出せなくない?」
 ということのなきよう、楽譜入手と同時に(できれば入手前に)全体を見渡して、ご確認いただきたい部分です。
 ギターで出せる最高・最低音について今一度おさらいしておきましょう。
・ギターで出せる最高音=1弦19フレットの「シ」
 楽譜でいうとこんな位置。
 
・ギターで出せる最低音=6弦開放の「ミ」
 楽譜でいうとこんな位置。
 
ピアノ譜の低音域で使われる「ヘ音記号」ではこの位置。
 
上記の音より高い・低いものがあった場合は、
 「あー、この音はギターでは出せないんだな。」
 とお考えください。
 その場合は、
 ・高い場合→フレーズごと1オクターブ下げる
 ・低い場合→フレーズごと1オクターブ上げる
 といった策を講じる必要が出てきます。
最悪、「どうにもフレーズの途中で最高音でも足りなくなるな」といった状況に陥る場合は、
 移調する(曲全体を1音〜数音上げたり下げたりする)
 という苦肉の策で回避することもありえます。
 …ですが、曲の印象が変わってしまうので、ここでは詳しく触れないことにします。
 ※カラオケで予約時デフォルトが違うキーになってて、始まったときに「いつも聴いてんのと違うな」って感じるあれです。
 
 
 
パート数を決める
…「決める」と言いながらですが、多くの場合は「決まっている」ものかと思います。
 何故かと言うと、「ご自身の所属する合奏団体のパート数」になるはずだからです。
 なので、「4名の楽団」なら4パート、「10名超だけど、5パート構成でやってる」という団体の場合は5パートにするだけですので、そんなに難しく考えることはないはずです。
役割ごとに分解→割り振り
・元にする楽譜が入手できた
 ・最高最低音の確認ができてギターで弾けそうなことがわかった
 ・パート数も決まった
 …と、お膳立てが整いましたら、いよいよ具体的な編曲に入ります。
と言っても、そんなに難しく考える必要はなく、基本的には以下の2工程で十分です。
 ① ピアノ譜をメロディ、和音、ベース音に分解する
 ② ギターの各パートに割り振りする
 これだけで、充分ステージで通用する編曲になります。
どうでしょう、一気に
 「なんだ、そんなもんか」
 という気になりませんでしょうか。
では、具体的に「何をどうするか」を見ていきましょう。
 
 
ピアノ譜をメロディ、和音、ベース音に分解する
音楽の三要素は、メロディ・ハーモニー・リズムである。
 とよく言われるものですが、合奏における音の役割については、
 メロディ・和音・ベース音
 と考えていただけると分かりやすいと思います。
例えば、この曲(のオレンジ枠部分)を対象にした場合、
 
メロディ・和音・ベース音で分けると、以下のイメージになります。
 
 まずは上記のイメージで、「ピアノ譜をメロディ、和音、ベース音に分解」といった感覚を掴んでいただきたいです。
ギターの各パートに割り振りする
上記の「分解」の工程が終わりましたら、「各パートに割り振り」を進めていきましょう。
 今回はきっちり3つに分けられましたので、単純に3パートに割り振ってみたいと思います。
まずはメロディ。
 
次いで和音。
 
最後にベース音。
 
対象箇所を全部入れたイメージはこんな雰囲気になります。
 
…どうでしょう、けっこうそれっぽい雰囲気に見えませんか?
 演奏的にも、これだけで「それっぽく」なりますので、まずは臆せず、上記の3ステップで以って始めてみていただけると嬉しいです。
 ※ちなみに、お気づきの方もいらっしゃるかもですが、上記譜例においては、ピアノ譜で「ヘ音記号」の部分(和音・ベース音)を、ギター譜にするにあたって、1オクターブ上げています。
 この手法は割と使いますので、記憶の片隅に留めておいていただきたいです。
まとめ
ギター合奏譜を編曲するときは、以下の3ステップで進める。
① 最高音、最低音の確認
 ② パート数を決める
 ③ 役割ごとに分解→割り振り
「編曲経験0」から、「曲がりなりにも経験1」になっていただければ、偉大な一歩を踏み出したことになると思います。
 「こんな単純なことで良いの?」と心配になるかもしれませんが、小手先の技術は自ずとついてくるはずですので、まずは「0→1」の経験を喜んでいただけると嬉しいです。
また、ギターアンサンブル編曲の実践的なやり方がわかる記事をnoteにてまとめましたので、ご興味のある方は見てみていただけると嬉しいです。
 【誰でもできる】ギターアンサンブル編曲の手順書
ここまで読んでいただきありがとうございました。


